先週、中国政府は関税の段階的な撤廃で米国と一致したと発表した(そしてそれを好感して株式市場も上昇した)が、トランプ米大統領はそれを否定。中国との貿易協議で発動済みの制裁関税を撤廃することに「合意していない」と述べた。これを受けて先週金曜日の米国市場は売りが優勢となる場面があった。結局、米国株の主要3指数はそろって続伸し連日の高値更新となったがシカゴCMEの日経平均先物は反落。週明けの東京市場もこの流れを受けて利益確定売りが広がりそうだ。

月曜日は米国のベテランスデーで債券市場は休場となる。株式相場も動かないだろう。週明けの東京市場は様子見で小反落だろう。さすがに一本調子の上昇で過熱感も意識されるところだ。調整を入れる方が好ましい。

今週の注目はFRB高官の発言。13日にはパウエルFRB議長が上下両院合同の経済委員会で証言する。クラリダFRB副議長は12、14日、ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁は14日にそれぞれ講演を行う予定となっている。

経済指標は国内では11日に9月機械受注と10月景気ウオッチャー調査、12日に10月工作機械受注の速報値、14日に7~9月期GDPの一次速報が出る。海外では13日に米10月消費者物価指数(CPI)、14日に中国10月鉱工業生産や同小売売上高など。15日には、米10月小売売上高や11月ニューヨーク連銀製造業景況指数が発表される。経済指標の注目は米国のCPIだ。2ヶ月連続で前年同月比が2.4%と高い水準にある。

そのほかでは11日の「独身の日」の中国のネット商戦。米国では14日のアプライド・マテリアルズやエヌビディアなど半導体関連の決算に注目だ。

今週の予想レンジは2万3100~2万3700円とする。