英ポンド/米ドル (1.2630〜1.3020) 11月7日〜11月14日まで

アナリシス: 

皆さま、こんにちは!昨日11月6日、英国下院は解散しました。ジョンソン首相は同日午前にエリザベス女王と謁見し、12月12日の総選挙まで5週間に渡る選挙戦が正式に始まりました。与野党は両者一歩も譲らない姿勢を見せており、熾烈な争いとなりそうです。特に英国の欧州連合(EU)離脱を巡る公約に国民の関心も高まっています。

ジョンソン首相は首相官邸前で演説し、与党・保守党が総選挙で勝てば議会の停滞状態に終止符を打ち、1月にブレグジットを実現させた上で「英国の可能性を解き放つ」と宣言しています。最大野党・労働党が万が一勝利した場合は、さらなるブレグジットの延期につながる「ホラーショー」と皮肉りました。

保守党内を見ると、党の重鎮だったハモンド前財務相が11月5日、次期総選挙への不出馬を表明。理由は以前に法律化された合意なき離脱の阻止に向けた法案を支持して造反したことで、9月に除籍処分となっていたためとされています。

5週間の選挙戦の内容によっては、ポンドの売り買いが活発になることも想定されますが、11月前半の動きは鈍く、市場参加者は様子見ムードとなるのではというのが私の見方です。

もし、労働党の圧勝などが報じられれば、ブレグジットの先行きに不透明感が高まりポンド売りの動きになりやすく、保守党圧勝となれば素直にポンド買いになると想定しています。

保守党と労働党の政策の違いは、EUと離脱協定を再交渉するかしないかが大きな柱の1つに挙げられます。先に保守党のジョンソン首相はEUとの交渉も終えていますので、EUと再交渉はせずに現状の条件でEUと合意のもと離脱する方針です。

一方、労働党のコービン党首は、EUと再交渉を完了すると公約しています。この再交渉はほぼ不可能という見方が英国内で報じられているため、この点も争点となりそうです。

いずれにしても決戦は12月12日となりますので、それまでに米ドル買いや米ドル売りの影響で英ポンド/米ドルが動く可能性はありますが、ポンド自体が大幅に動いてくるのは12月に入ってからと言えそうです。

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。月足Wボトム形成中となり、このままミドルを上抜けして+2σまで上げて行けるかどうかの場面です。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス上段。下げ幅は限定的で上段の位置をキープしています。下がるとしても1.2650付近と想定します。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成

アップトレンド中。ミドル反発場面ですが、今回はミドル反発でそのまま上昇の確率は低いと想定します。一旦レンジ入りとなり、今月の値幅は±2σの間が手堅いと見ます。

向こう1週間の重要指標です。

7日(木)
21:00 英・BOE金利発表、英中銀資産買取プログラム規模、
    英中銀金融政策委員会議事要旨

11日(月)
18:30 英・GDP速報値

13日(水)
22:30 米・消費者物価指数
25:00 米・パウエルFRB議長発言

14日(木)
8:50 日・GDP速報値

上記の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。

予想レンジ:1.2630〜1.3020

メインストラテジー:

買いをするなら
・1.2780〜1.2810の4時間足トレンドレス下段からの逆張りエントリー
・1.2630〜1.2660の日足トレンドレス下段からの逆張りエントリー

売りをするなら
・1.3000〜1.3030の週足トレンドレス上段から逆張りエントリー