先週ダウ平均は荒っぽい値動きとなったが、ざっくり言えば800ドル下げて半値の400ドルを戻した。週間の下げ幅は約400ドルだ。チャートの形状は200日移動平均を下値に、75日移動平均を上値とする「フラッグ」のようになっている。厳密なチャート分析では下値を切り上げるとか細かい「フラッグ」の定義があるのだろうがよく知らない。ただ、こういう保ち合いのパターンで怖いのは、下値のレンジを抜けると一気に下げが加速することだ。近頃は「逆イールド」で「800ドル安」など思考停止型の、アルゴリズム主導の相場展開になっているだけに、「ダウ平均200日移動平均を明確に下抜け」でプログラム売りが加速するシナリオには注意したい。

今週のハイライトは22~24日、米ワイオミング州で開かれる毎年恒例の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)だ。なかでも23日に行われるパウエルFRB議長の講演に注目が集まる。パウエル議長は前回FOMC後の記者会見で、「長期的な利下げ局面の始まりではない」と述べて市場の失望を買った。その辺りをどのような表現で修正するのか(しないのか)がポイントだろう。市場が織り込む9月の利下げ確率は100%、一気に50BPS下げるという予想も3割を超える。今回のジャクソンホールのテーマは 「金融政策における課題」。利下げ以外の緩和策にも言及するかという点も注目だ。

もうひとつの注目点は19日に期限を迎える華為技術(ファーウェイ)に対する米一部製品の輸出禁止措置の猶予期間だ。ロイター通信は米商務省が猶予期間を90日間延長する見通しだと報じた。本当に11月まで延長されれば先日の追加関税第4弾の一部を12月に先送りしたときのような
反応が市場に見られるだろう。

先週金曜日の米国市場ではエヌビディアが大幅高となった。米国市場の流れを引き継ぎ、週明けの東京市場も半導体関連を中心に景気敏感株や金融株などが物色されそうだ。

予想レンジは2万400円~900円とする。