株主総会のネタが続いています。土曜日にマネックスグループの株主総会を終えて、日曜日からニューヨークに来たとは、一昨日書いた通りです。私は米・マスターカードの社外取締役をしているので、その株主総会に出席しに来たのです。

着いた日の晩から役員の間のディナーがあり、月曜日は丸一日取締役会、そしてまた役員間のディナー、そして火曜日の朝に株主総会でした。アメリカの株主総会は、バークシャーハサウェイの大きなお祭り騒ぎのものが有名ですが、それは極々珍しい例外で、通常はもっと小さいもので、日本の株主総会よりも小さいかも知れません。

いくつか特徴というか観察があります。決算期は集中していますが、総会が開かれる季節は分散しており、株主は議決権行使を検討する時間に余裕があります。そして総会前に、一年を通して、議決権行使助言会社や機関投資家と、議決権の対象となる事柄についての対話が経常的に持たれています。総会は、各社によって違いもあると思いますが、電話でも参加することが出来て、また社員も電話等で同時進行でその様子を聞くことも出来ます。フォーマリティは一応ありますが、そこはアメリカのこと、かなり自由というかリラックスしています。実利を取る感じです。

会社提案以外に株主提案の議案もあって、それを提出した株主が趣旨を説明して、まぁしかし議決の結果は予め分かっているためか簡潔で、株主からの質問や意見もありますが、これも簡潔で、感情的にならずに違う意見を言い合う穏やかな会議のようで、総会も会議も、やはり我が国と彼の国では、お国柄が出る感じがします。しかし!私が初めて議長をした18年前の日本の株主総会とは大きく違いますが、今の日本の株主総会とは、少なくとも当社の株主総会とは、その中身の質はそんなに変わらないと思います。そこまで日本の株主総会も進化したのだと思います。

株主総会のあと、また夕方までぶっ通しで取締役会。株主総会は日米あまり変わらないが、総会前の通年の会社と株主間の対話には大きな差があり、また取締役会の在り方にも、大きな差があるという感じです。あとは議決権行使助言会社の活動の質と量が、大幅に違う感じですかね。取締役会の中身は、これはとってもとっても大きく違います。当社も我が国も、もっと改善していきたいと思います!