年金支給額のみでは十分とは言えないのが現実

「老後2,000万円不足」問題は今なお、色々と議論されています。様々なアンケート等を見ても、年金に対して不安はあると答える人の方が多く、それだけに自助努力の必要性は浸透していると思っていましたので、今回の反応に、年金だけで老後は安心と考えている人もいることが分かりました。

年金制度という仕組みそのものが破綻しなくとも、支給される金額のみで生活していくのは十分とは言えないのが現実です。サラリーマンであれば老齢基礎年金に加え老齢厚生年金も受け取れますが、それでさえも今後は十分とは言えず、ましてや自営業者で老齢基礎年金のみの受け取りであれば、なおさらです。

これまでも老後資金の必要額は人それぞれ、その人の生活スタイルによって大きく変わると書いてきました。それは今回の問題においても、あくまで「例」として取り上げた家計で、月々5万円の不足と試算されていたのにもかかわらず、「老後2,000万円」という数字だけが独り歩きしてしまっている感は否めません。

家族旅行、家のリフォーム…ごく普通の出費で赤字に転落する危うさ

どんな人でも対策がとても大切です。これから書くのも、あくまで一例です(※数値は各種統計の中央値に近いものを設定しています)。

【例】 43歳男性・既婚・子1人:子どもが幼く、現在妻は専業主婦
・サラリーマン年収560万円、現在の貯蓄650万円
・25年ローンで40歳の時に住宅を購入、年間180万円を返済
・退職金2,000万円を予定
・年間生活費360~400万円程度(子どもの年齢によって異なる)、老後は300万円程度

この家計のライフプランニングでは、かなりの節約家計にしています。

子どもの教育は小~高校まで公立、大学は私立文系として、上記以外にお金がかからなければ退職金を受け取るまで赤字にならずに生活できることになります。

ただし、例えば車を保有する、子どもに習い事をさせる、家族での旅行やレジャーにお金をかける、家のリフォームをする、といった出費を重ねただけで赤字に転落するという危うさがあります。ましてや急に病気やケガをすればなおさら大変です。

赤字にならず資産を増やしながら老後を過ごす2つの対策

そこで、対策です。お金を生み出すには3つの方法があります。

1.収入を増やす
2.支出を減らす
3.投資運用する

1.は妻も稼ぎ手になる、というだけでもマネープランはぐっと変わってきます。2.については前述の通り、既にかなり厳しめの節約家計を設定していますのでここではなし。3.は超低金利の預貯金にしておくのに比べ、投資運用することで時間が味方して老後に向けてプラスに働くことが期待されます。

上記の家計で、赤字にならずに資産を増やしながら老後も過ごすには、他にもまだ方法は考えられますが

・子どもが中学生になったら妻がパートで年100万円稼ぐ(妻が60歳まで)
・毎年3%の利回りの運用をする

この2点の対策が有効です。毎年レジャーその他に30万円、習い事等に50万円、20年ごとにリフォーム費250万円をプラス計上しても、赤字にならずに資産を増やしながら老後も過ごせることも可能になります。

これらはあくまで平均値を活用した試算に過ぎませんが、早めにちょっとした対策を行うだけで老後は大きく変わってくることを知っておきましょう。