米ドル/円 日足

週間予想レンジ:110.00~112.00

メインストラテジー:押し目買い

・フラッシュ・クラッシュに対する反動、一旦頭打ちも含み
・米逆イールドカープの影響は限定的、米株の堅調に追随しやすい
・半面、ドルインデックス続伸、クロス円における円安効果を相殺

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週は反騰、再度陽線引きをもって地合いの堅調を示唆。先々週の大幅反落で110円関門以下の終値をもって年初来の上昇が一服したが、急落の3月22日を含め、結局110円関門以下の大引けを示したのが2取引日のみだったので、保ち合いながらも強含みの展開をうかがえた。111円関門の回復も地合い好転のサインと見なす。

繰り返し指摘してきた通り、年初来のリバウンドがほぼ順調に進んできた上、112円関門の打診をもって目標達成感が強かった。そのため、抵抗密集区域である112円台前半~同後半の高値ゾーンを一旦トライすることがあっても、本格的なブレイクは容易ではない。従って、3月における反落は当然のスピード調整と見なせる属面も大きかった。

詳細を見ていくと、3月5日の高値は3月1日の高値をわずか更新したものの、その後3月8日まで反落、本来先頭打ちのサインとして「フォールス・ブレイクアウト」というサインの点灯が認められ、これから2月15日安値110.25円割れをもって証左されるところだった。しかし、3月14日の大陽線の出現で一転して、3月5日高値112.12円を再打診する蓋然性があった見通しも前回の既述であった。

というのは、3月8日~同13日は再度「インサイド」のサインを点灯し、同14日の大陽線をもって上放れを果たしたため、再度高値打診があってもおかしくなかった。つまり、3月14日の大陽線は「ダマシ」であったので、その後に大幅続落に繋がったわけである。

3月20日の大陰線は「弱気リバーサル」のサインを点灯してから一気に8日安値を更新し、前記「ダマシ」のサインを証左した上に22日の大幅続落に繋がり、110円関門以下の大引けをもたらした。

3月20日の「リバーサル」のサインが重要だったとはいえ、本来110円関門さえ守れば一段続落を回避できる見通しもあったが、米長短金利の逆転や3月22日米株の大幅下落はリスクオフの流れを強め、円の一段上昇を促した。

しかし、先週でも指摘したように、米逆イールドカーブの影響は限定的のはずなので、結局米株の持ち直しと共に円高の進行も限定的であった。前記「ダマシ」がもたらした効果、110円関門前後にて度切れしたと言える。

3月26日の大陽線、切り返しの基調を高め、翌日27日と「インサイド」のサインをほぼ形成していたため、3月28日の「スパイクロー」&強気「リバーサル」をより吹き彫りにした。ゆえに、これから続伸の地合いにあり、まず200日線の111.45円をトライするだろう。更なるブレイクがあれば、112円関門の回復もあり得る。

とはいえ、200日線に巡る攻防はなお続く公算が大きい。また112円関門の打診があっても、一気にブレイクするのも容易ではなかろう。実際、2018年後半から引かれるメイン抵抗ラインは111円台後半に位置し、目先ドルの頭を抑える可能性がある。年初安値を起点とした切り返しはなお継続されるものの、途中のスピード調整として大型保ち合いの継続を有力視する。

豪ドル/円 日足

週間予想レンジ:78.50~80.00

メインストラテジー:押し目買い

・年初のクラッシュに対する反動、なお続く見通し
・利下げ観測浮上でも豪ドルは底割れを一旦回避したところは大きい
・米ドル/円次第なので、中段保ち合いを継続、場合によっては上放れへ

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週は再度反騰、大型保ち合いの一環と見なし、また地合いの堅調を示唆した。

既述のとおり、先々週は再度反落、3月第2週の陽線を「否定」、弱気「リバーサル」のサインを点灯したが、3月第1週の値幅を超えずにいた。前回提示した「インサイド」のサインをなお維持したわけなので、先週の陽線引きは有力なサインとして重視される。

さらに、先週は一旦77.54円の安値をトライしてから切り返してきたので、3月第1週の安値を一旦下回ったところもサインであった。

日足でみると、3月25日一旦安値打診してから陽線で大引け、3月8日安値に対する一時の下放れが「ダマシ」であったことを証左、「フォールス・ブレイクアウトのサイン」を点灯したわけである。従って、大型保ち合いの継続がより鮮明になってきたと言える。もっとも、77.42円割れを回避したところも大きかった。

というのは、繰り返し指摘したとおり、本来、3月8日にて一旦78.30円割れが確認され、ベアトレンドへの復帰、即ち続落につながる公算が大きかった。78.30円は2月21日大陰線の安値に相当、同安値の割り込みをもって日足における「ダブル・トップ」といったフォーメーションを確立したとみていたため、その証左として2月安値77.42円割れの有無が注目されていた。

しかし、その後逆に79円大台の回復を果たした。この場合、前記フォーメーションの成立を認めず、むしろ2月から大型変動レンジの形成が有力視されたため、先々週の反落があっても、同許容範囲とみなされる。つまり、2月21日~3月6日で形成された「インサイド」のサイン、またその後の一時の下放れが「ダマシ」であった可能性は大きい。3月22日再度大きく反落したものの、すぐに前記「ダマシ」を再度否定するには至らないといった先週の判断は正しかった。

豪利下げ観測の高まりで、本来豪ドル対ドルでもすでに大幅な下値余地を拓いたはずだったが、「底割れ」を回避し、中段保ち合いの継続が観察されている。

従って、米ドル/円次第の側面は一段と強気になり、先週の切り返しに連動して中段保ち合いの継続に繋がった。そのため、これからさらに連動を強め上放れの可能性は高いとみる。場合によっては、一旦80円心理大台のトライもあり得る。テクニカル主導の相場になりやすい段階にいる可能性が大きいから、仕掛け的な上値打診にご注意。