2017年10月27日(金)、マネックス証券は日経平均が3万円と上昇する見通しを発表しました。
2018年6月にマネックス証券 チーフ・アナリストの大槻奈那、2018年7月にマネックス証券 チーフ・ストラテジストの広木隆が日経平均3万円への到達予想時期とコメントを更新いたしました。

2018年6月アップデート 日経平均は3万円へ。マネックス証券と有識者の見通し(大槻奈那)

2018年7月アップデート 日経平均は3万円へ。マネックス証券と有識者の見通し(広木隆)

そして、8月はマネックス証券 代表取締役会長の松本大が日経平均3万円への到達予想時期とコメントを更新いたしました。
2018年5月23日(水)に見通しを発表してから約3ヶ月が経った今、松本大がどのような考えを持っているのか、ぜひご覧ください。

アップデート 日経平均は3万円へ。マネックス証券と有識者の見通し

3万円到達予想時期とコメント

私が前回見通しのアップデートを公開した5月23日から、日経平均の水準は大きくは変化していない。

マーケットは常に流動的で、ヴァリュエーションの考え方も常に見直しが入り変化していくものだから、3ヶ月前と今日の世の中の情勢の変化を測り、それをそのままマーケットの見通しに当て嵌めることは出来ない。即ち、情勢が変わっていなくてもマーケットの見通しは大きく変わることもあるし、その逆もまたあり得る。つまりマーケットは積み上げだけでは測れないのだ。

然しながらそうは云っても変化を分析することは大切だ。この3ヶ月間の、大きな変化(或いは無変化)は何だろうか?

・国会は終わり、安倍首相が自民党総裁選を勝つことはほぼ明白になった。
・米中貿易戦争が顕在化・激化した。
・アメリカの中間選挙は近づいている。
・米、露、中、北朝鮮、中東などで、予想を超えた事態は起きていない。
・米による日本車への関税引き上げ問題が噴出。
・日本企業の収益力は引き続き好調。
・日銀の金融政策に大きな変更なし。
こんなところだろうか。

政治などの枠組みは安定しており、かつ日米に於いては政権の再信任が行われるスケジュールが待っている。関税問題も、トランプ大統領の政治ショーの側面があるが、最終的には中間選挙に向けて、株価にはプラスになるように持って行くのが定番コースと思われる。

トランプ大統領は、その言動は引き続き物議を醸しているが、着実に支持基盤、或いは敢えて全力で反対しなくてもいいと考える基盤を増やしている。そして明らかに、本人の当初の言葉とは裏腹に、結果的にアメリカの影響力を強くしている。米中貿易戦争の行方は、これも本人の当初の言葉とは裏腹に、収支の改善を背景にドル高に帰着するかも知れない。そして日米関係は、安倍-トランプラインを軸に、強固・安定しているように見える。

強いアメリカと、強く安定した日米関係、そしてドルの安定化は、国内政治基盤、日銀の不変の金融政策と相まって、日本株にプラスである。

今、マーケットは方向感を失い、弱気になっている。しかし上記のように、本来の枠組みはもっと強気でいい内容だ。このような時は、投資のホライズンを長めに見るのが肝要だと思う。あまり目先の事象に囚われないで、心にゆとりを持って、投資に対して長めに構えることが大切ではないだろうか。

結果、日経平均3万円到達の予想時期は、私の前回(3ヶ月前)と変更せず、2019年12月末に据え置きとしたい。