みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。今週も窓についての解説になりますが、まずは前週の動きを振り返ってみたいと思います。

【図表1】 日経平均株価 (日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※埋まった窓は青色で表示、埋まっていない窓は赤色で表示

前回は、「昨年12月17日と18日にあけた窓には届かない状態が続いています。ただ、そうしたなかでもじわじわと水準を切り上げているのが分かります。こうした状況が続いた場合、過去の経験則から予測されることは、上下に大きく変動する可能性があるということです。直近ではじわじわと水準を切り上げていることから投資家の心理は安心感に傾いていることが考えられる反面、水準の切り上げが止まってしまいますと、売り時を待っていた投資家からまとまった売り注文が出て、株価が値幅を伴って急落する可能性があるため注意が必要なのです。」としましたが、指摘した通り、7日に水準の切り上げが止まってしまったあと、8日には窓をあけて一気に下落する展開となってしまいました。

このとき、5日移動平均線だけでなく、25日移動平均線も一気に下回り、下降トレンドの発生が心配されたほか、まだ埋まっていない1月4日と7日にあけた窓を埋める方向に進むのではないかと思われましたが、3連休明けの12日には、米中貿易協議への期待や米政府機関の閉鎖回避といった報道もあって一気に切り返す展開となりました。

また、この大幅反発で2月7日と8日のあいだにあけた窓を埋めていますが、この窓は過去の値幅の範囲内であることからコモンギャップだったのではないかと思われます。

そうしたなか今後の展開が気になるところですが、5日と25日移動平均線を一気に上回っているものの下向きの75日移動平均線が株価に接近しているのが分かります。

そのため今後は、75日移動平均線を上回るかどうかが2月12日の終値を基準として上と下にあるまだ埋まっていない窓のどちらを埋めるかに影響を与えそうです。

仮に75日移動平均線を上回るようですと、上にある窓を埋める可能性が出てきそうですが、一方で75日移動平均線に押し返されると同時に5日や25日移動平均線を下回ってしまうようですと下落基調に戻ってしまい、下にある窓を埋めることも考えられますので、売買タイミングに注意するようにしたいところです。