【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25169.53  ▼220.77 (2/7)
NASDAQ: 7288.35  ▼86.93 (2/7)

1.概況

米国市場は欧州連合(EU)の欧州委員会が2019年の成長率の見通しを大幅に下方修正したことで欧州を中心に世界景気の減速懸念が意識されたことや、米中通商協議の期限である3月1日までにトランプ大統領と習近平国家主席が会談する可能性が低いと伝わったことで米中通商協議に対する期待が後退したことなどから続落となりました。

ダウ平均は124ドル安でスタートすると一旦持ち直す場面もありましたが、上値が重く下げ幅を広げると昼過ぎには390ドル安近くまで売られました。節目の25,000ドルまで下落したこともあってその後持ち直す展開となったダウ平均ですが結局220ドル安の25,169ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も86ポイント安の7,288ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万9000件減の23万4000件となりましたが市場予想ほど改善しませんでした。また、2018年12月の米消費者信用残高は前月比165億5400万ドル増に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、エネルギーが2%を超える下落となったほか、情報技術と素材、ヘルスケア、コミュニケーション・サービスも1%以上下げています。一方で公益事業と不動産が上げ、公益事業が1%を上回る上昇となりました。

4.個別銘柄動向

決算で1-3月期の売上高見通しが市場予想を下回ったツイッター(TWTR)が急落し10%近く下げました。コーチなどのブランドを傘下に持つタペストリー(TPR)も決算が市場予想を下回ったことで急落し15%近く下落しています。さらに食品大手のケロッグ(K)も決算で最終損益が赤字となったことで5%を上回る下落となりました。一方で衣料品大手のヘインズブランズ(HBI)は決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで急伸し20%高となっています。

また、同業のBB&T(BBT)と2019年末までに合併することで合意したと発表した地銀大手のサントラスト・バンクス(STI)も急伸し10%高となりました。BB&Tも4%近く上げています。メキシコ料理チェーンを展開するチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)も決算で利益が市場予想を上回ったことで11%を超える上昇となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%低い2.65%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で20,516円)や節目の20,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)