米ドル/円 日足
週間予想レンジ(1/7週):107.00~110.00
メインストラテジー:レンジ取引
・「アップルショック」に年始の商い薄が重なり一旦クラッシュ
・しかし、その後素早く回復、総崩れを回避
・一方、変動レンジの下方修正も決定され、目先保ち合いへ
アナリシス:
「アップルショック」に年始の商い薄が重なり、円は3日にて急伸した。しかし、そのほとんどがウェリントン取引時間帯の数分間の出来事で、典型的なクラッシュだったため、その値動きのすべてを「正当化」できるかどうかは見方が分かれるところであろう。
もっとも、3日の大陰線、値幅の大きさで典型的な「長大線」を形成、安値トライしてから急速に反発してきた上、比較的高く大引けしたため、「スパイク」のサインも点灯していた。この場合、その後の変動、同値幅を抜け出すには時間がかかる場合が多く、また変動率が逆に低下していく前例も多かったと思う。
より長い視点では、2015年高値を起点とした大型トライアングル型の保ち合いとなることも考えられる。仮に現時点までなお継続されているとみる場合、やはり2018年3月安値を下回るかどうかをひとつの基準として判断したい。同安値割れを回避しているところ、大型保ち合いの基盤がなお維持されていると言える。
一方、3日の値動きはすべて「正当化」されなくても、従来の想定より大きく下放れしただけに、目先変動レンジの下方修正は強いられる。2018年8月安値109.78円~110円関門前後が一転して抵抗ゾーンと化し、打診があっても安易な上放れはなかろう。「長大線」の形体に鑑み、3日罫線の自体部分(107.43円~109.68円)はしばらく今週の値幅を制限してくる可能性は高い。
今週は市場取引の正常化につれ、3日のような極端な流動性の悪化はもう見られないだろう。さらに、クラッシュがあったからこそ、積み上げされた円のショートポジションが一掃され、ドルの下値余地も限定されるであろう。中国の金融緩和策発動で相場心理の改善も想定され、米株の反騰とともに、今週米ドルの下値リスクも制限されるとみる。クラッシュ後の保ち合い相場は続く公算が大きい。
豪ドル/円 日足
週間予想レンジ(1/7週):74.50~78.50
メインストラテジー:レンジ取引
・米ドル/円と共に急落、変動レンジの下方修正が決定された
・しかし、クラッシュだっただけに、下値リスクの再拡大も想定しにくい
・マクロの視点では、2016年安値と「ダブル・ボトム」を形成する可能性もあり
アナリシス:
「アップルショック」に年始の商い薄が重なり、米ドル/円のクラッシュと共に、豪ドルは3日に急落した。一気に2016年安値を一旦割り込み、米ドル/円以上のクラッシュを演じた。しかし、クロス円であるだけに、米ドル/円次第の側面が大きかった。急落時の値段、その殆どがウェリントン取引時間帯において数分間の出来事で、その値動きのすべてを「正当化」できないと思われる。
もっとも、3日の大陰線、値幅の大きさで典型的な「長大線」を形成、安値トライしてから急速に反発してきた上、比較的に高く大引けしたから、「スパイク」のサインも点灯していた。実際、2016年安値を一旦割れたとはいえ、同日安値と大引け値の間で2.5円程度の差があって、安値更新自体が「フォールス・ブレイクアウト」、即ち「ダマシ」だった可能性が大きい。目先3日高値を一旦回復しているところも証左材料として注目されるだろう。
一方、3日の値動きはすべて「正当化」されなくても、従来の想定より大きく下放れしただけに、目先変動レンジの下方修正が強いられる。2018年10月安値78.56円~78.79円関門前後が一転して抵抗ゾーンと化し、打診があっても安易な上放れはなかろう。
もっとも、2018年10月安値自体も一旦9月安値の下放れを見せてから切り返したので、もともと「フォールス・ブレイクアウト」のサインを点灯していたため、同安値が更新された以上、しばらく一転して抵抗と化す公算が大きい。仮に2016年安値に対する一時の下放れが「ダマシ」だった見方は正しく、また大型「ダブル・ボトム」のフォーメーションが成立される場合でも、抵抗ゾーンの突破に時間がかかる見通しで、今週の戻りは制限されるでしょう。
反面、今週市場取引の正常化につれ、3日のような極端な流動性の悪化がもう見られないでしょう。さらに、クラッシュがあったからこそ、積み上げされた円のショートポジションが一掃され、豪ドルの下値余地も限定される。中国の金融緩和策発動で相場心理の改善も想定され、中国景気に敏感に反映する習性があることから、今週は豪ドルの下値リスクも制限されるかとみる。クラッシュ後の保ち合い相場は続く公算。