【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25413.22 △123.95 (11/16)
NASDAQ: 7247.87 ▼11.16 (11/16)
1.概況
先週の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数はトランプ米大統領が中国製品に追加関税を課さない可能性を示唆したと伝わり米中の貿易摩擦への懸念の後退したことや長期金利の低下を好感して続伸となりましたが、ナスダック総合株価指数は画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)の急落などが重石となって小幅に反落となりました。ダウ平均は46ドル安でスタートすると140ドル安余りまで下げ幅を広げましたが、切り返しプラスに転じると昼過ぎには220ドル高まで買われました。その後やや上げ幅を縮めたダウ平均ですが堅調に推移すると結局123ドル高の25,413ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も6ポイント高の2,736ポイントとなりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は11ポイント安の7,247ポイントとなっています。
2.経済指標等
10月の米鉱工業生産は前月比0.1%上昇に止まり市場予想を下回りました。設備稼働率は78.4%となりこちらは市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、不動産と公益事業、エネルギーが1%以上上昇したほか、素材とヘルスケアも1%近く上げています。一方で一般消費財・サービスや通信サービスなど4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
前日の取引終了後に決算を発表したエヌビディアが急落し19%近く下げています。8-10月期決算の売上高が市場予想を下回ったうえ、11月-1月期も市場予想に反して減収見通しとなったことから売りがかさみました。一方で同じく前日の取引終了後に決算を発表し業績の見通しが市場予想を下回ったことから時間外で大きく下げていた半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)は一時8%以上下げる場面もありましたが、切り返すとプラスに転じ1%余り上昇し取引を終えています。また、決算で既存店売上高が市場予想を下回った高級百貨店のノードストローム(JWN)も急落し13%以上下げています。メディア大手のバイアコム(VIAB)は市場予想を上回る決算を発表したことで買われ3%を超える上昇となりました。
5.為替・金利等
長期金利は米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長の政策金利が中立金利に近づいているとの発言を受けて利上げペースが加速するとの観測が後退したことで0.05%低い3.06%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ112円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末の米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか為替が円高に振れていることもあって日経平均はドル円の動向をにらみながらとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)