【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25706.68  ▼91.74 (10/17)
NASDAQ: 7642.70  ▼2.79 (10/17)

1.概況

米国市場は前日に大きく上昇した反動やFOMC議事要旨を受けての利上げ観測が重石となり反落となりました。

ダウ平均は92ドル安でスタートすると下げ幅を広げ320ドル安近くまで売られましたが、その後切り返すと昼過ぎには小幅にプラスとなる場面もみられました。しかし、上値が伸び悩んだことで再び170ドル安近くまで下げ幅を広げました。引けにかけてやや持ち直したダウ平均は結局91ドル安の25,706ドルで取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も2ポイント安の7,642ポイントとなりました。

2.経済指標等

9月の米住宅着工件数は年率換算で前月比5.3%減の120万1000戸となり市場予想も下回りました。また、9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では複数の委員が政策金利を一時的に中立金利を上回る水準に引き上げることが必要になるとみていることが明らかとなりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材やエネルギー、一般消費財・サービスなどの7業種が下げました。一方で金融や通信サービスなどの4業種が上げ、金融は1%近く上昇しています。

4.個別銘柄動向

決算で売上高が4四半期ぶりに減少に転じ市場予想も下回ったIBM(IBM)が7%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、投資判断の引き下げを受けてホーム・デポ(HD)も4%を超える下落となったほか、医療保険のユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も2%近く下げ、IBMとホーム・デポ、ユナイテッドヘルス・グループの3銘柄でダウ平均を170ドル近く押し下げています。一方で好調な決算が続いた金融に買いが入りゴールドマン・サックス(GS)が3%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。JPモルガン・チェース(JPM)も1%以上上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、海外を中心に契約者数が大幅に増えた動画配信大手のネットフリックス(NFLX)が目標株価の引き上げが相次いだことで5%以上上げています。空運大手のユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス(UAL)も通期の利益見通しを引き上げたことで6%近く上げました。さらに取引終了後に決算を発表したアルミ大手のアルコア(AA)は1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で大きく上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い3.20%となりました。ドル円はやや円安に振れ112円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場はドル円がやや円安となっていることから堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が上値を伸ばし節目の23,000円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)