【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26651.21  △192.90 (10/1)
NASDAQ: 8037.30  ▼9.05 (10/1)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉で米国とカナダが合意したことを好感してダウ平均とS&P500株価指数は上昇しましたが、一部ハイテク株の下落を受けてナスダック総合株価指数は小幅に反落しました。

140ドル高と大きく上昇してスタートしたダウ平均は昼前に280ドル高まで上昇した後上げ幅を縮め取引終盤に寄り付きの水準まで弱含む場面もみられましたが、引けにかけて持ち直すと結局192ドル高の26,651ドルで取引を終え3日続伸となっています。

また、S&P500株価指数も10ポイント高の2,924ポイントと反発しています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は9ポイント安の8,037ポイントと3日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

9月の米ISM製造業景況感指数は59.8と前月から低下し市場予想も下回りました。8月の米建設支出も前月比0.1%増に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、エネルギーと素材が1%を超える上昇となったほか、資本財・サービスも1%近く上げています。一方で不動産や公益事業など5業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではNAFTAの見直し交渉で米国とカナダが合意し貿易摩擦への懸念が後退したことでボーイング(BA)が3%近く上げました。ボーイングはダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、1銘柄でダウ平均を70ドル余り押し上げています。

また、NAFTAの見直し交渉で米国とカナダが合意したことでゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーター(F)も堅調でした。

さらに最高経営責任者(CEO)が1日付で退任すると発表したゼネラル・エレクトリック(GE)がCEOの退任で経営改革が加速するとの見方から7%余り上昇したほか、電気自動車のテスラ(TSLA)もイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が米証券取引委員会(SEC)と和解したことで急伸し17%以上上げています。

一方で投資判断の引き下げを受けてインテル(INTC)が2%近く下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い3.08%となりました。ドル円は114円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が大幅高となったことから上昇してのスタートが予想されます。短期的な過熱感もあるなかで日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)