現物株市場とは対照的に今年も盛り上がりそうな先物・オプション市場。昨年あたりから個人投資家は、現物取引から徐々に先物・オプション取引に資金シフトさせた模様ですが、ここ最近の取引時間中の値動きの乏しさに痺れを切らし、材料株(現物株市場)に資金を戻した投資家も少なくないとか・・・
 
さて、先物・オプション市場ですが、来週の14日、大阪証券取引所(以下、大証)
で新しいデリバティブ売買システム「J-GATE(ジェイゲート)」が稼働します。大証のHPによると、「J-GATE」導入によって、注文発注の時間の短縮や、単位時間あたりの処理能力が向上するなどで、世界最高水準のシステムになるそう。海外投資家をこれまで以上に意識したもので、個人投資家の売買にどのように影響するか?
売買発注の時間が大幅に短縮されることによって、瞬間的な大きな値動きが予想され、テクニカル分析は通用しなくなるとか・・・といった意見もあるようですが、むしろ個人投資家にとっては重要になるような気がします。

相場にはその時々によって適切な相場水準があるといわれます。瞬間的に大きくかい離しても、終値ベースでみると適切水準に収まるケースは多いものです。ザラ場で上下に大きな動きがあっても、結局、終値ベースでみると導入前後でボラティリティは大きく変わっていない、ってことになる可能性も大。そうすると瞬時の大きな値動きは、移動平均線や一目の転換線、基準線などの節目などを上手く使う指値注文によって、収益機会はよりアップするともいえますね。

また、「J-GATE」の稼働と同時に先物・オプション取引の制度が一部見直されます。取引時間の見直し、マッチング・ルールの見直し、サーキット・ブレーカー制度の見直し、日経225ミニのマンスリー限月取引の追加、オプション取引に係る呼値の単位の見直し、などなどの変更です。なかでも大きいのはやはり取引時間の見直しでしょう。
日経平均先物の取引は前場と後場の間にある昼休みが廃止になり、9:00~15:15までの「一場制」に変わります。これによって取引時間が拡大するとともに、昼休み中の価格変動リスクがなくなります。これまでは、昼休みの1時間30分の間にシンガポール市場で取引される日経平均先物の動きに、大証の後場の寄り付き値がサヤ寄せするようなイメージでしょうか。
ただ、今日の後場のように40円しか動かない相場環境では、ギャップ(前場終値に対して後場寄り付き値が大きく上昇、逆に大きく下落)による収益機会が大きいのも事実です。

最後に、イブニング・セッションの取引時間が今年7月中旬あたりをめどに、午前3時までに延長されるようです。個人投資家にとってはNY市場を横目にかなり気合いの入った売買ができるようになると思いますが、ますます日中取引の値動きがなくなるような懸念をしているのは私だけでしょうか?
私、情報プロバイダー側としても、仮に交代制で午前3時まで働いたとして、始発までの時間は2時間程度あと、・・・どうせなら一気に5時ぐらいまでに延ばして欲しいです。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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