こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。ETFの3大運用会社といえば、ブラックロック(i シェアーズ)、バンガード、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(スパイダー)です。7月13日、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ社(SSGA)が運用を行う、「超低コストETF」を含む18本のETFが、新たに国内でも売買可能となりました(すべて米国市場に上場)。18銘柄の中には、年間経費率が0.03%の株式ETFが2本含まれます。1本目は、「スパイダー ポートフォリオ米国トータル・ストック・マーケットETF」(SPTM)です。同ETFはアメリカ株式全体を網羅します。同種のETFとしては、「バンガード・トータル・ストック・マーケット」(VTI)が知られますが、同ETFは年間経費率が0.04%のため、SPTMがより継続コストが低くなります。SPTMは「SSGA トータル・ストック・マーケット指数」、VTIは「CRSP USトータル・マーケット・インデックス指数」との連動を目指します。

2本目は「スパイダー ポートフォリオ米国大型株式ETF」(SPLG)。当該ETFは、「SSGA大型株式指数」との連動を目指し、「バンガード・S&P500ETF」(VOO)や、「iシェアーズ・コアS&P 500 ETF」(IVV)と競合することになります(VOOとIVVの年間経費率はいずれも0.04%です)。その他、ブラックロック、バンガードと比較した場合、コスト競争力が高いのは、「スパイダー ポートフォリオS&P 500 グロース株式ETF」(SPYG)、「スパイダー ポートフォリオS&P 500 バリュー株式ETF」(SPYV)、「スパイダー ポートフォリオ先進国株式(除く米国)ETF」(SPDW)などとなります(上記3本のETFはいずれも年間経費率が0.04%と低廉)。

続いて債券ETFです。「スパイダー ポートフォリオ米国総合債券ETF」(SPAB)は、「バンガード・米国トータル債券市場ETF」(BND)の対抗馬となり得ます(年間経費率はBNDが0.05%、SPABは0.04%です)。また、米国社債でも短期、中期、長期と三種のETFを揃えたのは特筆されるでしょう。このようなETFの超低コスト化には、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)の、市場シェアを挽回する決意が読み取れます。2008年、3大運用会社のマーケットシェア(米国のETF)は、ブラックロック約52%、SSGA約26%、バンガード約7%でした。それが2013年には、ブラックロック約39%、SSGA約23%、バンガード約19%に。そして2017年には、ブラックロック約39%、SSGA約18%、バンガード約24%というようにシェアが変遷します。今後は、SSGAの超低コストポートフォリオETFシリーズが、どのくらいのスピードで純資産額を積み上げられるかがポイントになるでしょう。最後に、シリーズ内の「スパイダー ポートフォリオ新興国株式ETF」(SPEM)は、以前から国内取扱銘柄でしたが、昨年10月に年間経費率を0.11%に改定しています。超低コストETFの国内取扱いに舵を切ったSSGAの英断は、コスト競争を通じてより多くの投資家に便益をもたらすことでしょう。

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(本文中に紹介されているETFはすべてマネックス証券でお取扱いがございます)

『話題の超低コストポートフォリオETFがついに日本へ』

https://info.monex.co.jp/news/2018/20180712_01.html

コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表

2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。