こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。IMF(国際通貨基金)の世界経済見通し(4月度)によると、世界経済の成長率は2018年、2019年ともに3.9%に達するとされています。中でもインドのGDP成長率は、2018年7.4%、2019年7.8%と予想され、中国のそれを上回る見通しです。また、国連が公表する「世界人口予測」によると、インドの人口は2024年頃までに中国を抜き世界最大となる見通しです。インドでは25歳以下の人口が半数近くを占め、今後これら若年層が消費の主流を成します。人的資本の面では、インド人は英語能力に長け数学にも強いという特徴を持っています。
インド株ETFの代表格が「iシェアーズ・コア S&P BSE SENSEX インディア・インデックスETF」(02836)でしょう。当該ETFは2006年に香港市場に上場。S&P BSE SENSEX指数との連動を目指します(同指数は、ムンバイ証券取引所に上場する代表的企業30社で構成されます)。02836の上位組み入れ5社を見てみましょう。「HDFC銀行」11.94%、「HDFC」8.97%、「リライアンス・インダストリーズ」8.80%、「ITC」6.85%、「インフォシス」6.51%となっています(5月17日現在)。HDFCは住宅ローン会社であり、HDFC銀行はその関連会社となります。また、ITCはImperial Tobacco Companyの略で、もともとはたばこ製造会社でした。そこから日用消費財、ホテル経営、梱包材・紙製品製造など、経営の多角化が進んでいます。また、リライアンス・インダストリーズは石油化学を中心としたコングロマリットです。そしてインフォシスはバンガロールに本社を置く世界有数のソフトウェア企業。02836の年間経費率は0.64%、基準通貨はUSドルとなっています。

国内市場では「インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信」(1678)が購入可能です。ナショナル証券取引所に上場する代表的な50社からなるNifty 50指数との連動を目指します。当該ETFはリンク債型であり、特定の指数との連動を約した債券をETFが内包する形となります(したがって債券発行者の信用リスクを負うことに留意が必要)。続いて、米国上場の「ヴァンエック・ベクトル・インド小型株ETF」(SCIF)を挙げましょう。当該ETFは、マーケット・べクトル・インド小型株指数との連動を目指します。同指数はインドの内需を取り込むべく、201の小型株式を組み入れています(5月18日現在)。インドでは生体認証データベースの取得が実施され、インド版国民識別番号制度である「Aadhaar(アドハー)」の登録者数はすでに11億人を突破しています。この種のデータベースを活用したさまざまな施策に注目が集まっています。
最後に「ウィズダムツリー インド株収益ファンド」(EPI)です。当該ETFはウィズダムツリー・インド・アーニングス指数との連動を目指します。同指数は外国人に売買可能な、収益力の高い企業をピックアップして構成されます。組み入れ銘柄は307社に及び、当ETFの純資産額は17億ドル近くあります(3月31日現在)。ポテンシャルが高いインド株ETFにさまざまな選択肢があるのは嬉しい限りです。

コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表

2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。