1.概況
本日の日経平均は4日ぶりに小幅に反発しました。トランプ米大統領が米朝首脳会談の中止を表明したことで米朝関係の緊迫化を警戒した売りが出て56円安の22,380円で寄り付いた日経平均は下げ幅を三桁に広げ取引開始5分後に118円安の22,318円まで売られました。しかし、円高が一服したこともあって切り返し10時半過ぎには72円高の22,509円まで買われました。後場には昨日の終値を挟んで小幅に揉み合う場面もありましたが、概ね小幅高で推移した日経平均は結局13円高の22,450円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に5日続落となりました。また、新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに3日続落となっています。
2.個別銘柄等
投資判断や目標株価の引き上げに反応する銘柄がみられました。国内大手証券による投資判断と目標株価の引き上げを好感してキリンホールディングス(2503)が4.3%高となったほか、IHI(7013)も2.7%高、日本ユニシス(8056)も4.6%高となりました。ホシザキ(6465)も目標株価の引き上げを受けて2.8%高となっています。また、トランプ米大統領が米朝首脳会談を中止すると表明したことで地政学リスクが意識され防衛関連銘柄が買われました。石川製作所(6208)が5.5%高、豊和工業(6203)が3.2%高となっています。一方でソフトバンクグループ(9984)が2.1%安と軟調でした。ソフトバンクのスマホの販売手法について総務省が行政指導に動くとの報道が嫌気されました。希薄化懸念から売られたのがSCREENホールディングス(7735)で、転換社債型新株予約権付社債を発行すると発表したことから3.5%安となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
昨日は25日移動平均線を支えに下げ止まる気配をみせながら節目の22,500円を割り込んで下げ幅を広げた日経平均ですが、本日は100日移動平均線にサポートされ切り返す展開となりました。週明けの日本株は今晩の米国株やドル円の動向次第といえますが、短期的な過熱感が解消に向かうなかで底堅さをみせたことから来週の展開に少しは期待が持てそうです。なお、来週はPCEデフレーターや雇用統計など週後半に米国で重要な経済指標の発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)