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【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。冴えない決算を受けてのエクソンモービル(XOM)の下落が重石となったダウ平均は反落となったものの、大型ハイテク株の一角が買われたことでS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は続伸となりました。一時127ドル安まで売られる場面もあったダウ平均ですが一日を通して前日終値を挟んで揉み合うと結局11ドル安の24,311ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が2ポイント高の2,669ポイントと3日続伸となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も1ポイント高の7,119ポイントと続伸となりました。 昨日の米国市場は通信株などに売りが出たことなどで下落となりました。好決算を好感して99ドル高でスタートしたダウ平均はしばらくして190ドル高近くまで買われましたが、次第に売りに押され上げ幅を縮めると昼過ぎにマイナスに転じ下げ幅を広げる展開となりました。引けにかけて一段安となったダウ平均は148ドル安の24,163ドルと続落となりほぼ安値引けで取引を終えています。また、S&P500株価指数も21ポイント安の2,648ポイントと4日ぶりに反落となったほか、ナスダック総合株価指数も53ポイント安の7,066ポイントと3日ぶりの反落となりました。

2.経済指標等
先週末に発表された1-3月期の米実質GDP速報値は年率換算で前期比2.3%増と前期の2.9%増から伸びが鈍化したものの市場予想を上回りました。1-3月期の米雇用コスト指数も前期比0.8%上昇し市場予想を上回っています。さらに4月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も98.8と速報値から1.0ポイント上方修正され市場予想を上回りました。 昨日発表された3月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.4%増となり市場予想と一致しました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータも前年同月比1.9%上昇し市場予想と一致しました。3月の米個人所得は前月比0.3%増に止まり市場予想を下回りました。4月の米シカゴ購買部協会景気指数も57.6と前月から上昇したものの市場予想を下回っています。さらに3月の米中古住宅販売仮契約指数も前月比0.4%上昇の107.6に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向
先週末の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げました。そのなかでも電気通信サービスと不動産が1%を超える上昇となったほか、公益事業も1%近く上げました。一方でエネルギーや情報技術などの4業種が下げ、エネルギーは1%を上回る下落となりました。 昨日の業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも電気通信サービスが2%を超える下落となったほか、ヘルスケアと資本財・サービス、素材も1%を上回る下げとなっています。

4.個別銘柄動向
先週末の米国市場では、市場予想を上回る決算を発表したアマゾン・ドット・コム(AMZN)が3%を上回る上昇となり上場来高値を更新しました。TモバイルUS(TMUS)との経営統合交渉が近くまとまる見通しと報じられたソフトバンクグループ(9984)傘下のスプリント(S)も8%を超える上昇となっています。TモバイルUSも小幅に上げました。携帯電話業界の再編期待からベライゾン・コミュニケーション(VZ)も3%以上上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。一方で決算で1株利益が市場予想を下回ったエクソンモービルが4%近く下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。 昨日の米国市場では、TモバイルUSとの経営統合を発表したスプリントが米規制当局の反対を警戒した売りが出て急落し14%近く下げました。TモバイルUSも6%を上回る下落となっています。他の通信株の売りに波及しベライゾン・コミュニケーションズは4%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。一方で決算で1株利益が市場予想を上回ったマクドナルド(MCD)が6%近く上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、投資判断の引き上げを受けてニューヨーク・タイムズ(NYT)が5%以上上げました。ウォルト・ディズニー(DIS)と提携することで合意したと発表したツイッター(TWTR)も4%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.03%低い2.95%となりました。昨日の長期金利も変わらずの2.95%となっています。こうしたなかドル円は引き続き109円台前半での推移となっています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は昨日の米国株安を受けてやや売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか大型連休の谷間で様子見ムードの強い一日となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)