自民党総裁選ショックで大幅安。当面は政策に対する期待値が高まるかが焦点

東京株式市場は名実ともに10月相場入りとなりました。週明けの9月30日は自民党総裁選ショックで大幅安でしたが、まもなく落ち着きを取り戻し、米国株や為替市場の動向に影響度合いを強めていくでしょう。今週は米国ではISM製造業景気指数や雇用関連指標など主要な経済指標の発表があります。この経済指標の結果が米長期金利の上昇要因となれば、米ドルへの買い戻しが予想され、円安・米ドル高が日本株の支えになることが予想されます。特に、9月27日の日足で形成した「長い陰線」の高値(146.49円)を超えると、円安方向に加速することも考えられるでしょう。

10月1日召集の臨時国会で岸田文雄首相の後継として、石破茂自民党総裁が第102代首相に指名される見通しです。「石破ショック」と称して自民党を揶揄する動きもみられましたが、株価を反映する経済環境や企業業績が大きく変わらない限り、首相交代だけでは市場の大きなトレンドは変わりません。日経平均は2024年3月にバブル期につけた史上最高値を更新しました。首相交代はそんな大きな上昇トレンドの流れを帳消しにする材料にはならず、短期的な急落局面があった場合には冷静に判断したいところです。かつてのアベノミクスのように上昇トレンドが加速する期待は薄いですが、当面は政策に対する期待値が高まるかが焦点となります。

さて、前回の「日経平均は二段上げ目に入れば上値余地拡大へ」の内容の続きとなりますが、先週の時点で9月2日の戻り高値(38,700円)を超えました。前回も解説したように、8月5日安値(31,458円)を起点とした上昇二段上げ目(三波動構成)に入ったことを確認できました。これは「たられば」ですが、9月2日の戻り高値をもし超えてない状態だったら、自民党総裁選ショック(円高、株安)はもう少し大きく出ていたかもしれません。

三波動構成から試算する今後の上値予測

三波動構成における上値予測の手法の1つに、一目均衡表のN、V、E、NTの4つの基本計算値があります。9月2日高値(38,700円)、8月5日安値(31,458円)、そして9月11日の押し目(35,619円)を考慮し、これらで試算すると、

N計算値・・・(38,700円-31,458円)+35,619円=42,861円
V計算値・・・(38,700円-35,619円)+38,700円=41,781円
E計算値・・・(38,700円-31,458円)+38,700円=45,942円
NT計算値・・・(35,619円-31,458円)+35,619円=39,780円

となります。しかし、NT計算値は、実は9月27日の大幅高によって達成しました。今回の自民党総裁選ショックが単なる揺り戻しであったなら、次はV計算値ということになります。