1.概況
本日の日経平均は77円安の2万1567円と小幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が上昇した一方で、寄り付き前の時間帯にドル円がやや円高に振れたことからか日経平均は11円安の2万1633円と小安く寄り付きました。日経平均はすぐにプラスに転じた後に再びマイナスに転じ、その後再びプラス圏に浮上するなど米雇用統計の発表を今夜に控えて方向感に欠ける展開となりました。前場を27円高で終えた日経平均は後場に入って一時上げ幅を100円近くまで広げる場面もありましたがその後再び昨日の終値近辺まで値を戻すと再びマイナスに転じました。引けにかけてやや下げ幅を広げた日経平均は結局77円安と小幅に反落して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆6577億円となりました。東証33業種は石油石炭製品や鉱業など9業種が上昇した一方で空運業やパルプ・紙など24業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップの任天堂(7974)が0.8%安となったほか、ファーストリテイリング(9983)、ファナック(8954)、武田薬品(4502)、三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)がいずれも下落しました。中でも武田薬品は5%の大幅安となりました。一方でソフトバンクグループ(9984)やマネックスグループ(8698)は上昇しました。材料が出たところでは、セブン&アイ(3382)が3.4%の大幅高となりました。前期決算が増収増益で着地し、今期予想も増収増益と堅調だったことが好感されました。同じく前期決算が増収増益で、今期予想も増収増益と発表したドラッグストアの薬王堂(3385)も5.6%の大幅高となっています。一方でゲームソフト開発のトーセ(4728)が24%超の大幅安となりました。今期の業績予想を大幅に下方修正したことが嫌気されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
今夜に米雇用統計の発表を控えるなかで日経平均は方向感に欠ける展開となり結局小幅安となりました。日本時間今夜21時半に発表される米雇用統計では非農業部門雇用者数や失業率に加えて、平均時給の前年比の伸びがどの程度となるか注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)