1.概況
本日の日経平均は56円安の2万3653円と小幅に3日続落しました。TOPIXやJPX日経400も下落した一方で、東証2部指数と新興市場のマザーズ指数は上げています。昨日の米国市場で主要指数が史上最高値を更新した一方で、ドル円が111円台前半まで円高に振れるなど強弱材料が入り混じるなか日経平均は9円高の2万3719円と小動きで寄り付きました。上げ幅を30円超まで広げた場面もあった日経平均ですが上値は重く、10時頃からはマイナス圏での推移が続きました。前場を12円安で終えた日経平均は後場に入って再びプラスに転じたものの長続きせず、その後も弱めの値動きとなりました。14時過ぎに122円安と1日の安値をつけた日経平均は引けにかけてやや下げ幅を縮めて56円安で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は3兆2196億円となりました。東証33業種は鉄鋼、機械、その他製品などの6業種が上昇した一方で電気・ガス業、倉庫運輸関連、情報・通信業など27業種が下落しました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)が1.1%高となったほか、ファーストリテイリング(9983)、ファナック(6954)、みずほ(8411)が上昇しました。中でもファーストリテイリングは昨日発表した第1四半期決算で売上高が前年同期比16.7%増、営業利益が28.6%増と好調だったことが評価され6%の大幅高となりました。ファーストリテイリング1銘柄で日経平均を104円強引き上げています。一方で三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、三井住友(8316)、ソニー(6758)などは下げました。材料が出たところでは、九州を中心に格安ドラッグストアを展開するコスモス薬品(3349)が17%超の大幅安となりました。9-11月3ヶ月の営業利益が前年同期比20.6%の大幅減となったことが嫌気されました。また、英国風パブを展開するハブ(3030)も11%安と大きく下落しました。9-11月の売上高の伸びが前年同期比3.1%増にとどまり営業利益は23.2%減となったことが嫌気されました。一方で百貨店の松屋(8237)は11%近い大幅高となりました。9-11月の売上高が前年同期比10.4%増、営業利益は7倍以上になるなど好調な業績が好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は円高が嫌気された面もあり3日続落となりました。今夜の米国市場では消費者物価指数(CPI)や小売売上高が発表されます。これらの指標の発表を受けドル円が円安に戻すのか、一段の円高が進むのかが来週の株価動向に大きく影響しそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)