NYダウ: 20658.02  △1.92 (4/10)
NASDAQ: 5880.93  △3.11 (4/10)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は地政学リスクが意識される一方で、原油価格の上昇がサポートとなるなかで方向感に欠ける展開となりほぼ横ばいとなりました。上昇して始まったダウ平均はしばらくして94ドル高まで買われましたが、買いが続かず上げ幅を縮めると昼過ぎにはマイナスに転じ40ドル安余りまで下落しました。しかし、下げ幅を大きく広げることなく下げ渋ると切り返しその後は小幅高での推移となりました。引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均は結局1ドル高の20,658ドルと小幅に反発して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も3ポイント高の5,880ポイントとこちらも小幅に反発しています。

2.経済指標等
3月の米労働市場情勢指数(LMCI)は0.4となり前月から低下し市場予想も下回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや不動産、一般消費財・サービスなどの6業種が上げました。一方で電気通信サービス、金融などの4業種が下げています。素材は横ばいでした。

4.個別銘柄動向
投資判断の引き上げを受けて電気自動車のテスラモーターズ(TSLA)が大幅高となり、上場来高値を付け時価総額が一時ゼネラル・モーターズ(GM)を上回る場面もありました。また、同業大手のナイト・トランスポーテーション(KNX)との合併を発表したトラック輸送大手のスイフト・トランスポーテーション(SWFT)が急伸しました。ナイト・トランスポーテーションも急伸しています。物言う株主による株式取得が明らかとなった高級スーパーのホールフーズ・マーケット(WFM)も急伸しました。一方、米国内で高速データ通信向けの周波数帯ライセンスを保有するストレート・パス・コミュニケーションズ(STRP)を総額12億5000万ドルで買収すると発表した通信大手AT&T(T)が小幅に下げています。ストレート・パス・コミュニケーションズは買収額にさや寄せする格好で急騰しています。

5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い2.36%となりました。ドル円はやや円高となり110円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は円高を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか昨日まで8日連続で陰線となっている日経平均が陽線を引けるかがポイントとなりそうです。また、本日は東芝(6502)の再延期した四半期報告書の提出期限で、予定通りに提出できるかどうかが注目されます

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)