日本株が大幅上昇
日経平均は10月最初の営業日である2日から24日まで16日続伸の最長記録を作ったこともあり、10月の21営業日のうち値上がりした日が19日、値下がりはわずか2日と記録的な高勝率の月となった。月間での値上がり幅は1,655円、値上がり率は8.1%である。11月1日も408円の大幅高となるなど日本株の勢いは衰えを見せていない。この上昇の背景にあるのは日本企業の好業績であることは疑いない。昨日の上昇もソニー(6758)や東京エレクトロン(8035)が業績予想を大幅に上方修正したポジティブ・サプライズが大幅高の呼び水となった。
こうした時期にあまり業績と関係のないアノマリーで銘柄を紹介することはやや憚られるが、毎月ご紹介している過去の11月の好調銘柄をご紹介していきたい。
11月の好パフォーマンス銘柄
東証1部・2部・マザーズ上場銘柄のうち、過去10年間の株価データを取得できた1,898銘柄について、10月末と11月末の株価を比較した騰落回数を算出した。表1の通り、過去10年間11月に10年とも上昇した銘柄が1銘柄。10年のうち9年で上昇した銘柄が15銘柄あった。反対に10年間11月に1度も上昇していないのが4銘柄であった。それぞれご紹介したい。
表2に示したように過去10年間11月にすべて上昇したのが東芝機械(6104)だ。社名に「東芝」が入っているが、現在の東芝(6502)の持株比率は2%にすぎない。続いて過去10年のうち9年で上昇したのが、トーヨーカネツ(6369)、バイテックホールディングス(9957)、ミネベアミツミ(6479)、ファーストリテイリング(9983)、日本特殊塗料(4619)、近鉄エクスプレス(9375)、ビーピー・カストロール(5015)、クボタ(6326)、京葉銀行(8544)、広島銀行(8379)、CAC Holdings(4725)、ダンロップスポーツ(7825)、山形銀行(8344)、西日本鉄道(9031)、CSP(9740)の15銘柄である。地域銀行が3社入っていることが特徴的だ。
上記の銘柄の中でもトーヨーカネツは過去10年の平均上昇率が18.2%と群を抜いて高い。昨年は11月に1ヶ月で49%近く上昇、一昨年も31%の上昇を記録している。もちろん今年がアノマリー通りになるかはわからないが、株価をウォッチしてみてほしい。
逆に過去10年11月に1度も上昇していないのが表3に示したジャステック(9717)、丸八倉庫(9313)、キャンドゥ(2698)、ニイタカ(4465)の4銘柄だ。ただ、ニイタカ以外の3銘柄は11月決算銘柄、ニイタカも11月は中間決算の配当落ちがある。これらの銘柄については権利落ちの影響が大きいと考えられる。
先月紹介した銘柄の成績は?
最後に先月のレポートで記した「過去の10月の好調銘柄」の結果をご紹介したい。9月29日のレポートでは、過去10年で10月に9回または8回上昇した銘柄として、35銘柄を紹介した。各銘柄の今年の10月の成績は表4に示したとおりである。35銘柄のうち、上昇したのが27銘柄、下落したのが8銘柄であり勝率は約8割である。また、35銘柄の平均上昇率は4.5%であった。といっても今月は冒頭でご紹介したように日経平均が連騰記録を作ったなかではやや物足りないと言えるかもしれない。