直近のレポートでご紹介した銘柄のパフォーマンスは?

「銘柄フォーカス」では、一定のテーマに沿ったトピックをご紹介し、業績やバリュエーションをスクリーニングしてトピックに関連した銘柄をご紹介している。前回のレポートで過去9月に好調だった銘柄および不調だった銘柄の今年の9月のパフォーマンスをご紹介した。今回のレポートではその他の直近のレポートでご紹介した銘柄のパフォーマンスをご紹介したい。

まず、8月28日に掲載した「株価下落時に投資を検討したい業績好調の出遅れ銘柄は」である。当時は日経平均が1万9500円を割り込んでおり、予想PER等から判断すると日本株は割安な水準にあり打診買い(少しずつ買い下がっていくこと)をするのは良い水準ではないかという主旨のレポートだった。そして、業績が長期的に増収増益基調でさらに株価が市場対比で出遅れている銘柄をご紹介した。

具体的にご紹介したのは、カカクコム(2371)、ぐるなび(2440)、エービーシー・マート(2670)、ユニゾホールディングス(3258)、ソースネクスト(4344)、ドンキホーテホールディングス(7532)、三井不動産(8801)の7銘柄である。レポートを掲載した8月28日と昨日10月5日の株価を比較した結果は以下のとおりであった。

7銘柄のすべてがプラスリターンを達成した。同期間の日経平均の騰落率を上回ったのが3銘柄、下回ったのが4銘柄で、7銘柄の平均リターンは6.3%と日経平均のリターンをやや上回った。まずまずの結果と言えるかもしれない。

続いて9月8日のレポート「急落のマザーズ市場動向 ~投資妙味がありそうな銘柄は~」である。このレポートの主旨はマザーズ指数が急落したことを受け、マザーズ指数のバリュエーションを検証、投資妙味がありそうな銘柄をご紹介することであった。増収増益基調にありながら、マザーズ市場の当時の平均PSR(株価売上高倍率)を下回る銘柄をご紹介した。

具体的にはエムビーエス(1401)、AMBITION(3300)、ビーロット(3452)、パルマ(3461)、エヌ・ティ・ティ・データ・イン(3850)、コラボス(3908)、日本動物高度医療センター(6039)、レントラックス(6045)、リンクバル(6046)、ソネット・メディア・ネットワークス(6185)の10銘柄である。9月8日と10月5日の株価を比較した結果は表2のとおりである。

10銘柄中9銘柄がプラスリターンとなり、6銘柄が同期間のマザーズ指数のリターンを上回った。2割以上上昇した銘柄が4つあり、10銘柄の平均リターンはマザーズ指数の2倍近くとなっている。偶然によるところが大きいと考えるが、かなりの好結果と言えそうだ。

最後に、9月19日に掲載した「リーマン・ショック後に一番あがっている指数とは? ~好業績の割安銘柄をご紹介~」についても検証したい。本レポートでは、リーマン・ショック後に最も上昇している主要な国内株価指数が東証2部指数であること、現在の東証2部指数の特徴や好業績にも関わらず割高感のない銘柄などをご紹介した。

紹介した銘柄は、桧家ホールディングス(1413)、大盛工業(1844)、コーセーアールイー(3246)、ニチリン(5184)、ノザワ(5237)、エスティック(6161)、カネミツ(7208)、エリアクエスト(8912)、日本社宅サービス(8945)、アルプス物流(9055)、旭情報サービス(9799)の11銘柄である。9月19日と10月5日の株価を比較した結果は表3のとおりである。

11銘柄中プラスリターンが8銘柄、東証2部指数のリターンを上回ったのは5銘柄だった。桧家ホールディングスが10%超上昇の好リターンとなったことなどから、11銘柄の平均リターンは2.5%と東証2部指数を上回っている。こちらもまずまずの結果と考えられる。

直近3つのレポートでご紹介した銘柄の紹介時点と昨日時点を比較したリターンを集計した。3つのレポートでご紹介した銘柄の平均リターンは、いずれのレポートでも比較している株価指数のリターンを上回っており、筆者としては胸をなでおろしたというところである。ただ実際のところどのレポートもご紹介してから短期間しか経過しておらず、運・たまたまの要素が大きいと考えている。

筆者は以前にも記したように株価は企業の業績やバリュエーションと非常に大きく関係があり、業績がしっかりしているのにもかかわらず市場の評価が低い銘柄を狙うのが基本であると考えている。いずれのレポートにおいても、業績の伸びやバリュエーションを考慮してご紹介しているので、今回の結果にも少しは関係しているのかもしれない。今後も業績の伸び・割安なバリュエーションという視点で銘柄をご紹介し、適宜株価の推移もご紹介してまいりたいと考えている。ご参考いただければ幸いである。