7月の日経平均は月足で2カ月連続の陽線となりました。一方、8月は海外投資家の休暇に加え、日本でもお盆の関係上、投資家は売買をいつもより手控える傾向があるようです。売買代金が減少する年が多く、日経平均の2010年~2017年までの8年間をみても、8月の月足が「陽線(月初よりも月末の方が株価が高い線)」になったのは2回しかありません。12カ月間の中で最も少ない。つまり、月初よりも月末の株価の方が安い「陰線」になることが多かったという、アノマリーがあります。今のところ、8月は300円程度しか動いてないので、陽線か、陰線かは検討が付きません。

しかし、もっと重要なことがあります。それは、年初来高値(24,129円)と年初来安値(20,347円)の中心値(22,238円)を現在上回っており、中期的な波動は高値もみ合いで安定しているということ。もうひとつは、月足の一目均衡表でみると、1月から横ばいが続いた基準線(相場の方向性を示す)が8月からわずかながらも上昇に転じているということです。上述したように過去のアノマリーはよくないですが、株価の位置は悪くない。
日足でみると、75日移動平均線(22,456円 8/3)を下値で意識して、底固い展開が続いています。依然として、7/5安値(21,462円)から7/18高値(22,949円)までの上昇幅に対して、半値押し(22,205円)以内の微調整にとどまっています。いわゆる、目先的な波動も高値もみ合いが継続しており、見方によっては23,000円を超える直前の強さは維持できている。
この半値押しの22,200円処というのは、上述した年初来高値と年初来安値の中値にも相当し、非常に重要な水準といえます。
一方、一目均衡表では雲がねじれる前後に差し掛かっており、直近安値である7/31の安値(22,352円)に加え、22,200円の水準を下回れば、23,000円超えの上放れよりも、下放れの方を心配しないといけません。
ボリンジャーバンドでは、バンドが縮小するスクイーズ(ボラティリティが小さくなる)が生じています。小さなボラティリティの次にくるのは、大きなボラティリティです。上か下かのどちらに放れていくでしょうか。

8/6に放送されたモーニングサテライトをご覧になられた方へ。週初は、「モーサテサーベイ」というコーナーで、株見通し出演者による週末の日経平均の水準予想というものがあります。筆者もその1人に加えて頂いております。今週の分布をみると、22,000円→1人、22,200円→3人、22,400円→5人、22,600円→14人、22,800円→4人、23,000円→なし、23,200円→1人となっていました。「いやいや、まずい、私1人じゃない、またやってしまったか!」と、週初のさえない相場をみて少し後悔しております。(8/6の引け後作成)

東野 幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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