任天堂(7974)の株価が下がってきた一方、トヨタ自動車(7203)や三菱UFJFG(8306)、ソフトバンクG(9984)といった東証1部でも時価総額が大きい銘柄が上昇し出すなど、両者に逆相関の動きがみられます。任天堂と同じく個人の売買の比率が比較的多い、マザーズ市場は依然として低迷が続いており、今月のメルカリ(4385)の上場、来月のMTG(7806)の上場を前に換金売りなどを懸念、といった解説が聞かれますが、そのあたりはどうなのか?例えそうだとしても、上場後は今と逆の現象になっていくと思います。
一方、日経平均ですが、このコラムの前回5月29日の翌日には75日線がサポートになり、足元まで反発基調が続いています。4日には直近高値(23,002円)からの下げに対する半値戻しを達成したところで、ここからが重要となります。このまま直近安値を上回っていけば年初来高値付近までは早いと思われます。
図表でみる、強気のポイントとしては、1)3月安値からの上昇過程で2月27日の戻り高値(22389円)を上抜けたこと、2)75日線が上抜きに変わってきたこと、3)アメリカ市場でナスダックが再び史上最高値を更新してきた、ことが挙げられます。
逆に、弱気のポイントではないのですが、少し気にしなければいけない現象を挙げますと、ドル建ての日経平均でみると、2月27日の戻り高値(208.61ドル)をまだ上抜けていないことです。実は、円建ての日経平均は2月から3月にかけて安値を切り下げましたが、ドル建ての方は3月安値が2月の安値を下回らなかったのです。そのドル建てでみたサポート現象が3月安値からの上昇につながった可能性が高い。とすると、足元のドル建てが未だに2月の戻り高値を超えられない現象を上値抵抗サインと考えれば、円建ての日経平均はドル建てとともにいったん下値を見にいくパターンも十分にあり得るということかもしれません。