先週、中国・上海に3日間行ってきました。上海大学経済学院でテクニカル分析(チャート分析)の講師をするためでした。たまたま、習近平国家主席とロシアのプーチン大統領の会談が翌週に上海で予定されていたことで、空港はさることながら、街中、ホテルのロビーなどで、セキュリティチェックがかなり強化されていた時期でもありました。

中国ではチャート分析がずいぶん人気が高いらしい、という中国の友人の話がきっかけでした。中国株式市場の低迷が続く中で持ち株の損失が広がり、チャート分析による投資手法を学ぶとこで改心する投資家が広がっているのかもしれません。日本でもリーマン・ショックによる株価急落後の方が、意欲的になった投資家が多くなった気がします。

チャート分析の講座は中国に入国した日の17時から。それまで時間があったので、院長室の横の事務所に上着を置き、上海大学を散歩しました。構内を1周するのに1時間30分かかりましたが、広いのか、普通なのか、とくかく壮大でした。金曜日にもかかわらず27人の学生さんが集まり、講座だけで20時までの長丁場。私は、「ローソク足の組み合わせ」と「フォーメーション分析」を実際の個別株(中国石油天然気、上海汽車集団、三一重工、中国人寿保険、貴州茅臺酒、中信證券、華能国際電力、安徽海螺水泥、宝山鋼鉄、中国国際航空)の動きを参照しながら説明しました。金融業界に内定をもらっている学生ばかりだったせいか、興味の深さを感じたことや質問内容はかなりクレバーでした。ほか、チャート分析で成功する確率、ファンダメンタルズ分析とチャート分析の使い方、トレンドラインの引き方など、意外と答えに難しい質問ばかり。驚いたのは、勉強会が行われる部屋の表札に、ブルームバーグ研究所「Bloomberg Study & Research Center」と書いてあったこと。部屋の中には、ブルームバーグ端末が15~20台ぐらいありました。こんな数の端末が備わっているとは、・・・さすが中国です。日本の大学では想像もできないです。

最後に日経平均株価ですが、一目均衡表上では足元の動きは非常に重要です(図表1)。昨年、もみ合い相場を抜け出す起点となった11月8日安値とほほ同水準からの急反発であること。また、当時から基本数値の「129」に近い日柄からの急動意であることです。期待感も含め、赤線付近までの上昇は見込めないでしょうか?

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東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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