日経平均は節目が集中する水準まで下がってきました。米FOMC声明後の米国株式市場の反応が限定的だったことで、今晩発表の米7月ISM製造業景況指数や2日の米雇用統計の結果に対する米国株の反応待ちなのでしょう。特に、ダウ平均は高値圏でこう着相場が続いているだけに、強く反応すれば振れは大きそう。上記の指標発表が波乱なく通過できれば、日本株全体の自律反発や、好決算銘柄への物色に広がりが出てくる可能性が高いです。
チャート上では、週足の一目均衡表上からポイントがうかがえます。転換線(13,684円)付近でなんとか踏みとどまっています。基準線(13,494円)~13,000円までのダメ押しを想定しながらも、SQ通過後(8/12-16)の転換線上昇で株価が反発基調を強められるかどうか。

決算発表後の株価の動きですが、内容の良し悪しにかかわらず、同じように売られている印象です。個別企業の中身よりも、決算発表というイベントを利用した投機色が強く出ているためだと思います。好決算銘柄が売られても、全体相場がしっかりしていれば、いずれ下値を買ってくるという発想が出てくるのですが、全体の下げがここまで速いとちょっとという感じ。
決算に対する反応の変化を見極める局面です。決算期間の序盤と終盤とでは同じ反応は示さないと思います。足元の慎重さが下期に向けての上振れ期待につながれば株価の下支え要因になる、という発想になるためには米国株の上昇が必要です。冷静に好決算銘柄はチェックしておきましょう。これまでの決算発表や業績報道で好印象は、川崎重工業(7012)、コニカミノルタ(4902)、旭化成(3407)、OLC(4661)などでしょうか。

新聞ネタから要注意は、岩手地盤の在来型注文住宅大手の東日本ハウス(1873)です。8/1付、日経新聞には以下のように書いてありました。「政府与党が消費税増税にあわせて実施する東日本大震災の被災地の住宅購入者向け給付制度で、一世帯あたりの給付額を最大90万円とすることがわかった。」といった報道が出ておりました。全国的な住宅着工の堅調さの反面、建築意欲はあっても土地がないとか、来年に向けて材料費が上昇するなどの懸念要因はありますが、新興国景気の減速懸念が投資家に染み付いてしまった以上、短期的にせよ面白いかもしれません。あくまでも連想の域ですが・・・
一目均衡表では雲に上値を抑えられていますが、週明けの基準線上昇で動きがでるかが目先のポイント。雲越えにつながれば、出来高も増えてくるような気がしています。                           

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ