今年も引き続きよろしくお願い申し上げます。

大納会からロケットスタートとなった日本株。まさに「押し目待ちの押し目なし」といった状況になってきました。海外勢に続き国内の機関投資家も参戦してきた様子です。

少し前までは上昇相場に慣れてなかったせいか、少し上昇すると「高値警戒」といった言葉がすぐに出てきましたが、最近ではあまり見かけなくなりました。
値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率で示される、騰落レシオ(25日)という指標があります。一般的には、120%以上を買われ過ぎの「高値警戒」ゾーン、70%以下を売られ過ぎとする見方です。

東証一部を対象とすれば、昨年12月19日に164%の高値を付けたあとも、昨日まで11日間連続で130%以上の水準が続いています。一方、TOPIXの高値は888.51P(1月4日)。12月19日から昨日まで4.7%も上昇しています。

このように、騰落レシオのピークと株価のピークが一致しないケースは、比較的最近でもありました。騰落レシオが150%以上まで上昇した局面をみると、例えば、2010年4月5日に153%まで上昇したあと、株価の高値は17日後でした。2010年12月9日に163.47まで上昇したあと、株価は48日間上昇基調が続いた経緯があります。

説はいろいろありそうですが、でも良く考えてみると、上昇相場は努力相場といわれるほどゆっくりとしたものになりやすい。一方、下げるときは早いですよね。つまり、買いは循環的に物色されながら全体が上昇していくので、過熱銘柄がゆっくりと広がる傾向にあるためでしょう。逆に、下げ相場は一気に全部が下げますので、騰落レシオのボトムと株価のボトムのタイミングは大きくかい離しない、といったような感じだと思います。

なので、騰落レシオは天井圏では過熱度合いを参考にする程度、底値圏では実際の売買における買いシグナルとして使った方がいいのかもしれません。

さて、下げそうな指標が出ている以上、やはりいったんは売りなのでしょう。日経平均ベースでいくと、もう一度高値更新したあとに、騰落レシオが逆に低下するようなら、怪しいと思ってください。騰落レシオは、日経新聞のマーケット総合欄の右上に掲載されています。

一方、マザーズ市場には過熱感はまだないようです(図表内の赤線)。特定の銘柄が上がったり、下がったりするためです。マザーズ市場でも出遅れ物色はあるのでしょうか?あるとするならば、今のうちに探しておきましょう。

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個人的には、例年のことながら正月休みに検討した結果、マザーズ市場でも化学や医薬、サービスセクターに注目かと。既にきているものもありますが、中期的観点という意味では、綜合臨床ホールディングス(2399)のような治験支援や、遺伝子研究用試薬、創薬ベンチャーなどの株価が伸びるのではないかと思っています。

東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ