「あれ、引けたの?」と、取引時間中でも止まっているように錯覚してしまう日本株。動かない。ただ、こういう時こそが一番重要かも。来週以降に向けて検討してみましょう。

株式市場は米景気の底堅さと欧州債務問題の綱引きの状況。米国の11月の住宅着工件数が市場の予想を上回ったことなどで、ダウ平均は12000ドル台を回復してきました。

欧州債務問題に対するネガティブな反応が足元鈍くなるなか、底堅い米経済指標に対するポジティブな反応が勝る展開となっています。

26日から年末にかけての相場では、欧米ではクリスマス直後ということもあり、週初は休場の市場も少なくありません。また、来週はイタリアの国債の入札などがあります。格下げ懸念などの悪材料にはあまり反応しない地合いになりましたが、欧州情勢は予断を許しません。影響を与えそうなのは、米国での年末商戦の小売販売速報。出足は大幅な値引セールを前倒しで行ったこともあり堅調なスタートでしたが、最終的な結果が気になります。今年最後の週ぐらいは、ミニ「掉尾の一振」に期待したいところですね。

年明け以降、日本株は配当面から見た割安感が下支え要因となる可能性があります。メガバンクあたりの予想利回りの高さにはびっくりしますが、内需系企業に配当利回りの高いものが多いようです。「トレーダーズ・ウェブ」の投資ツール→銘柄スクリーニングで検索してみてください。

ドル円相場は一目均衡表の日足で見ると、来週は重要とされる基準線の上昇が見込めることや、既に好転した遅行線が抵抗帯を上抜けるようだと、77円台後半を固める動きから、さらに円安となる可能性が高まるとみています。介入直後の79円台が視野に入り、ドル高円安基調から幾分業績の下方修正懸念が和らぎ、日本株の押し上げ要因となる可能性があります。

日経平均の一目均衡表では、基準線(8432円)処を意識して調整が続く可能性もありますが、11月25日安値(8160円)から26日の日柄が経過する1月4日までに底入れ(二番底)なるかに注目。基準線の次の上昇(1月5日の見込み)などをきっかけに、12月7日の戻り高値(8722円)をクリアして、二番底完成につながるかが当面の焦点です。

東電株(9501)も10月5日安値から「51~52」日目(19日~20日)が経過して、材料は目立つけど、株価の方向感がいまいち掴めません。20日を戻り高値とみるか、昨日の陰線はダマシとみて、今日の陽線を信じるか?
しかし、週足は226円前後で終わると、寄り引け同時で分岐の可能性?10月の戻り高値から今週で基本数値の下げ「9週目」。移動平均線では13週線がそろそろ下げ止まってきます。

短期下落トレンドは続いていますが、上をみる場合は、直前の陰線高値である237円突破がポイントになりそうです。     

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ