東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続伸となりました。前日の米国市場にて主要3指数が揃って上昇したことを背景に日経平均も327円高の39,355円で寄り付きました。前場はソフトバンクグループ(9984)や半導体等のテック株が相場をけん引し、上げ幅を拡大する展開となりました。総じて堅調に推移し、576円高の39,604円で前引けとなりました。

後場は一時、利益確定の売りに押される場面が見られるも強含み、14時46分には666円高の39,694円まで上昇し本日の高値を更新しました。その後は上げ幅をやや縮小し、最終的には618円高の39,646円で大引けとなりました。

新興市場では、東証グロース250指数が反発、0.4%高となりました。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が10.6%高の10,230円をつけ、大幅反発となりました。22日に米オープンAIや米オラクル[ORCL]と今後4年間で米国のAI 開発事業に約78兆円を投資すると発表し、AI関連の投資拡大を好感した買いが集まりました。

ソフトバンクグループのAI投資の報道を受け、古河電気工業(5801)が一時14.1%高の8,028円をつけ、昨年来高値を更新しました。AIデータセンター向けで電線需要が拡大するとの見方から思惑買いが入りました。同じく電線株のフジクラ(5803)も一時15.7%高の6,997円をつけ上場来高値を更新しました。

ラーメンチェーンの「一風堂」を運営する力の源ホールディングス(3561)は15.0%高の1,061円をつけ3日続伸となりました。取引時間中に株主優待の拡充を実施することを発表し、これを好感した買いが集まりました。従来は同伴者1人まで利用可能なラーメン無料券を優待としていたところ、全メニューを対象に使える1,000円の優待券に変更する等の発表がされています。

保険代理販売のFPパートナー(7388)は6.8%安の2,277円をつけ3日ぶりに大幅反落となりました。国内証券による投資判断の引き下げが売り材料となりました。足元の保険販売件数の伸び悩みや、業務品質支援金の停滞で今後の利益成長率が鈍化する見込みと評価がされています。

電子部品のイビデン(4062)は3.4%高の5,049円をつけ3日続伸で取引を終えました。来期以降での増益転換見込みを反映させ、外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたことが買い材料となりました。

そのほかの銘柄では、ANY COLOR(5032)は最上位の投資判断で新規にレーティングが開始されたとされたことから、8.0%高の3,115円をつけ3日続伸、エーザイ(4523)も投資判断の引き上げを受け、3.8%高の4,421円をつけ続伸で取引を終えました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は1.6%高で取引を終えました。ソフトバンクグループのAI投資の拡充報道を受けて、全体的な投資家心理の改善が上昇に寄与した印象です。

今週のイベントは日銀の金融政策決定会合が控えていますが、市場では今会合での0.25%の利上げは既に織り込み済みの状況で、利上げ実施にサプライズはないとの見方が優勢です。逆に言えば、利上げを見送った場合には足元155~156円で推移するドル円相場が円安基調に振れる可能性に注意が必要です。

決算発表は22日米国において、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)