今朝の外資系証券の寄り付き前の注文動向は、29営業日ぶりの買い越し。昨日少し買い株数が増加していたので、そろそろ買い越しに転じるかなぁ~と思っていたところでした。
これまでの最長売り越し記録は、2009年2/12~3/26までの30営業日連続売り越し。リーマン・ショック後に二点底(二番底)を形成する局面でした。
週間ベースで海外投資家の日本株に対する動向をみますと、8月第4週(22~26日)までは5週連続の売り越し。その間、累計で1.1兆円売り越しました。
海外投資家は流動性重視ですから、大型株をまとめて売買する傾向があります。小さい株は売買しません。外資系証券に小型株アナリストがいないのも、その背景があるからです。主力大型株が買われると、指数が上昇するので買いが全体に波及してきます。「国内の年金が買ってる」となってもあまり乗る気はしないけど、「外人が買っている」となれば強気になってしまいます。ある意味、投資家心理の乗数効果です。
市場環境がもう少し落ち着いてくれば、売られ過ぎの銘柄などにも買いを入れてくる可能性はあります。安ければ何でもいいというわけではないですが、ここからのマーケットに最もポジティブな影響を及ぼす力となるでしょう。景気の持ち直しや円高一服といっても、買うべき人が買わないと株は上がりませんし・・・
ただ、タイミングが難しい。市場環境が落ち着いたと実感できるころには、結構いいところまで上昇している可能性がありますから。
さて、「9.11」の米国同時多発テロから10年が経過しようとしています。当時、2001年9月のダウ平均は月間で12.7%下げ、月間下落率では歴代第5位の記録となりました。
ただ、実際のところは、ダウ平均の月間平均騰落をみると、12ヶ月中で9月のパフォーマンスはあまりよくありません、というか、後ろから数えた方が早い。
1951年からの60年間でみると、9月は-0.91%とワースト1位。しかし、10月は+0.42%、11月+1.54%、12月+1.68%とパフーマンスは次第によくなる傾向があります。
米国同時多発テロがあった2001年の翌年~2010年までの9年間の平均でいくと、9月は-0.37%と12ヶ月中でワースト4位。ただ、10月は+0.8%、11月+1.18%、12月+1.09%と堅調。単なる平均ですが、過去20年~30年でみてもその傾向は明らかです。
9月は20日~21日の米FOMCを通過したあと、10月にかけては米企業業績に焦点が移っていくでしょう。ドル安効果はあるでしょうけど、外需の伸びがどれだけ維持できているかを見極めるところ。景気減速懸念の払拭は、そのタイミングしかないような気がします。