日本のIPO(新規公開)。4月、5月は震災の影響で途絶えましたが、4月に上場する予定だったSEMITECと、過去東証一部に上場していた日本ドライケミカルを含めて、6月は現在、6社が上場を予定しています。初値の動向や初値後の株価の推移によっては、新興市場全体に好影響を及ぼすことになるかもしれません。当面は主力大型株の上昇は見込みにくいでしょうし、海外投資家の買いが細り気味では動くはずがない。循環物色の観点からは新興市場に資金流入が予想され、新興株などの中小型株に注目が集まりやすい環境になっていく・・・と予測しています。少し私の希望も入っていますが。

また、新興市場では、楽天(4755)、ジュピターテレコム(4817)、サイバーエージェント(4751)、デジタルガレージ(4819)など主力級の動きがいい。地味にみえますが、着実に下値を切り上げており、どこかで騰勢を強める雰囲気も。そうなると、新興市場でも中小型株に物色の矛先が波及する公算が高いです。

新興中小型株だけにいえることではないですが、有望銘柄探しの近道の一つとしては、3月の急落局面で直前の安値を割っていないことや、その後の反発局面で回復力が強いこと。

また、3月の急落時にマドをあけて下げた銘柄が比較的多いのですが、マドを埋める力があるかどうかも、短期的な動きを見る上でのポイントになるでしょう。新興株ではないですが、ソニー(6758)は今なおマドを埋めきれず、ダラダラ下げている。個人情報流出問題や業績に対するネガティブな反応を織り込んでいたのかもしれません。

少し話がそれましたが、上記に示した回復力やマド埋めなども重要ですが、それに加えて、青天井になった銘柄もいい。青天井とは、過去最高値を抜いて上げ基調が続き、どこまでも上がりそうな様子のこと。高値を超えると上がりやすくなるのは当然なのですが、高値警戒感をある程度考慮しながらでも、上値を積極的に買える市場環境になってくれば、中小型株全般に資金シフトが起きてくるでしょうし、新興市場全体の中でも資金の回転率が上がります。

例えば、最近の動きで目立つのは、JASDAQ上場のアゼアス(3161)のような動き。25日の業績上方修正をきっかけに3日連続のストップ高。過去の高値を超えた青天井銘柄です。福島第1原発の放射性物質漏えいの事故対応や、官公庁による警戒区域での復旧作業などで防護服の需要が急増したそうです。また、携帯公式サイト運営のボルテージ(3639、9日に一部昇格)やエスクリ(2196)。昨年上場組で足元もみ合いですが、まだ上値余地ありで高値更新の可能性はあるでしょう。

直近上場したものばかりではありません。4年~5年前のIPOブーム終盤の頃、初値近辺の時期に高値をつけた銘柄にも注目です。

2007年に上場した携帯コンテンツのクルーズ(2138)は、当時の高値を超えて青天井となった典型。2006年上場組のメディア工房(3815)、ビットアイル(3811)、ポラテクノ(4239)などは、長らく低迷したあと底値圏から水準を切り上げてきているので、いずれ高値を超えて、クルーズのような株価推移を辿っていく可能性もありといえます。

過去に人気化したときの高値を超えていなくても、その近辺まで戻していて、もみ合いとなっている銘柄などにも要注目。かつて人気化したときの高値に近づけば、戻り売りが強いはずなのに下げない。そこで頭打ちだったら、過去の高値圏でもみ合ったりはしないでしょう。

ダラダラと書きましたが、新興市場が面白くなるような気がします。銘柄は分かれてくると思いますが、上記に示した動きを含めて、注目銘柄を挙げてみました。底値圏から徐々に水準を上げてきている銘柄や、上場来の高値更新後に調整している銘柄なども含めています。

ウェブクルー(8767)、フュートレック(2468)、平田機工(6258)、キャンバス(4575)、メッセージ(2400)、エイジア(2352)。短期的には戻り売りが強そうで、時間はかかりそうですが、シナジーマーケティング(3859)、コムチュア(3844)、ナノキャリア(4571)など。参考にしてください。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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