日経平均の週足の一目均衡表。来週は3月急落時に形成した長い下ヒゲ安値が計算対象から消えることになるため、転換線が9138円→9667円に500円程度、急反転する見込みです。足元の底堅い相場は、ここからの上昇を暗示しているのかもしれません。週足のローソク足では、4月最終週の下ヒゲ陽線を、陰線で上から二本押さえ込む動きが続いています。今週の陰線二本目が週間終値(13日の金曜日の終値)で下げ渋る足となれば、来週の転換線の急反転に伴い、陽線で上に切り返すシナリオなども想定したいところです。
SQ前後から動きが出るケースもよくありますし、ヘッジファンドの解約通知期限となる所謂45日ルールが5月中旬に迎えるそうなので、それを通過すれば心理的にも安心感になります。そういった意味でも、注目すべき局面です。
決算発表が一巡し、個別銘柄のチャートをみる機会が最近かなり多いのですが、3月の急落で下ヒゲを形成したあとの戻りが大きく、急落前の水準まで戻した銘柄はたくさんあります。急落時に目先の買い方がいったん離れた(信用取引の買い方の投げ売り)ことで荷もたれ感がなくなった。むしろ、上値が軽くなった銘柄もたくさんあるのではないでしょうか。例えにならないかもしれませんが、人が両手に物をいっぱい抱え込んだ状態では速く走れません。物をいったんどこかに置くか、落とすかしないと速く走れないですよね。それにも、きっかけがあるということです。
そうしたボトムアップ(個別から全体)アプローチからみると、日経平均は上昇継続といった見方ができます。6月まで調整、6月まで上昇、見方が二手に分かれる局面ですが、トヨタは今期見通しの発表を6月中旬までとしました。今回の決算発表で見通しの発表を先延ばしにした企業も、そのあたりに合わせてくる可能性があり、その時期に向けてポジティブな方向に織り込む動きになれば面白い。その反面、実際の会社側の見通しが予想よりも弱くなるケースは、夏場に向けて反動安もあるでしょうか。
一方、今日の15時に4月景気ウオッチャー調査が発表されました。3月景気ウオッチャー調査は「過去最大の落ち込み」となり、続く3月の鉱工業生産、景気動向指数と悪い結果を織り込んできたわけです。
景気ウオッチャー調査は景況感の速報性が高い指標。4月の調査は原発問題や電力不足などに対する懸念が鎮静化したあとの結果だっただけに、少しは改善していいました。しかし残念ながら、この先発表される4月の経済指標への改善期待につながる結果にはならなかったですね。もう少しかかるのかな~
東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ
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