ちょっぴりブレイク! 本日の日経平均は大型連休前にもかかわらず買い手がいたのか?4月1日に付けた取引時間中の高値を少しだけ更新(ブレイク)する展開となりました。株式トレーダーとの話しのなかで耳にしたことは、海外投資家は週末リスクを持たざるリスクとして考えるようです。国内投資家のイメージからすると、週末リスクといえば、既に持っているポジションが海外市場の予想以上の変動や休み中のイベントリスクなどで、思わぬ損を被ってしまう・・・、そういったパターンをリスクと捉えます。しかし、海外投資家は逆なのです。もちろん、すべてがそうではありません。
明日から大型連休に入り、その間は東京市場は営業日が極端に少なくなります。一方、海外市場はというと、特に米国市場は高値更新続き。ナスダック指数は10年ぶりの水準まで戻してきました。そういったなか、自国の株式市場が上昇すれば、他国の市場にも目がいきやすい海外投資家。ましてや出遅れ感のある日本株に対しては強気になるでしょう。
震災の影響で下方修正は当然、鉱工業生産の落ち込みも当然・・・予想の段階から「過去最大の落ちこみ」と報道され、織り込んできた市場です。「過去最大」以上に驚きの言葉はないわけで、東京市場は鉱工業生産の予想以上に弱かった結果を無視して、「過去最大」とう悪材料を織り込み、材料出尽くしムードに。
企業業績をみても、例えば、週初に発表された任天堂や日本電産は下方修正です。翌日のマーケットで朝から売り込まれましたが、引けまでに見直し買いが入る展開でした。続くキヤノンの下方修正。事前に新聞などで報道されていたせいか、実際の発表時には織り込み済みで株価は急騰。下方修正した翌日の新聞記事のとり上げ方も影響力がありますね。日経でその記事を読んだ瞬間、キャノンは反発すると感じました。要するに、生産量が確保できないための下方修正であり、製品の需要の減退が要因ではないということ。震災による影響は確かにネガティブですが、特に海外向けに需要が堅調であれば、単なる生産減による下方修正であれば織り込むのが早い。そりゃそうですよね、需要の度合いは相手の懐具合。しかし、生産は自力でできるので、やる気になれば時間の問題。その生産回復にメドが立つのであれば「買い」の判断をするのも1つの考え方でしょう。
27日の大引け後に発表した、コマツや京セラ、シャープの株価も上昇。下方修正を発表した三井住友FGまでも上昇となりました。マーケットの反応はポジティブです。
高値更新で先高期待が強くなり、市場は好転ムードに変化し、そして米国株に対する日本株の出遅れをポジティブに捉えやすくなる。
さて、5月6日に向けての株価はどうでしょうか。あともう少しで1万円です。とはいっても、それまで2営業日しかありません。5月2日の国内市場が終了した後は4日間の海外市場の動きを6日に織り込む格好となります。6日はボラティリティが大きくなりそうです。
一目均衡表でも何故か、雲下限値が最も低下するタイミングで変化日です。6日に向けて上げ下げのどちらでしょうか?
東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ
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