東日本大震災で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りし、被害を受けられた被災者の方、及びそのご家族に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。震災からの早期復興をお祈りいたします。

海外投資家の日本株への強気姿勢が話題に挙がっています。海外投資家の3月第3週の現物と先物を合算した手口は5698億円(現物9552億円買い、先物 3853億円売り)の大幅買い越し。本日発表された3月第4週は現物と先物を合わせて売り越しでしたが、640億円程度。何もしてないに等しい、株価も動かなかったわけですね。

米国内でも米投資信託協会の発表によると、3月10日~3月16日における株式ファンド の米国内型が13億700万ドル流出しているのに対して、外国型に18億8900万ドル流入。同期間のMMF(政府発行の短期証券などが投資対象で、安定した利回りを目指す運用商品)は法人向けの流出額が大きく、ヘッジファンドが以前から買っていた日本株ETF(iシェアーズMSCI日本指数ファンド:EWJ)に一部の資金を移した可能性はあります。ただ、海外投資家もお神ではないですから、大量に日本株を買い越したからといって、相場の先行きに過度な楽観視も禁物です。

買い方が海外投資家ならば、売り方は個人の信用買いの投げと裁定解消売り。個人主体の信用取引の三市場買い残高は毎週発表されます。25日現在、前の週に比べて927億円増加の1兆4937億円。この前の一週間に4845 億円減少したので、その反動もあるでしょうか。買いポジションを増やすことができる個人は思ったよりも元気。一気に買い残が減ったことによって、潜在売りを後々に残さず、早期の仕切り直しが期待できる局面であると考えています。

一方、裁定取引に係る現物株の買い残高というデータ。聞き慣れないかもしれませんが、これも毎週発表されます。25日現在、前週末に比べて1125億円減少の1兆853億円。この前の一週間に9871億円減少しましたので、直近二週間で1兆1000億円程度減少したことになります。ちなみに、直近のピークは2月の2兆5000億円前後でした。

裁定取引とは証券会社などが先物売り・現物買いをセットにして行う取引。今回の急落する相場を受けて現物買いポジションの売りを迫られた模様です。裁定買い残が大きく膨らんでいると、悪材料で相場が下がるとき、その現物株の売りも加わり、一段と相場が崩れやすい要因になるわけです。そもそもポジションを組むのは外資系証券が中心。外資系証券が裁定取引自体を縮小する傾向にあった2008年のリーマン・ショック後を除きますと、2003年安値時のときは6685億円まで減少したところから相場は上昇に転じています。1995年は5985億円、1998年は4127億円まで減少したあと反発に転じていました。足元、まだその水準には及びませんが、下げが加速する要因は着実に減少したとみることができましょう。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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