日経平均の下げ幅は261円。水曜日は2月22日(192円安)を上回る、今年最大の下げとなりました。チャート上ではマドを開けて、下に中陰線の安値引け。嫌な雰囲気ですが、目先はどうみればいいのでしょうか。
25日線(2日現在10581円)は横ばい基調で推移しているので、直近安値の10452円を意識して上に切り返すことが可能な局面です。が、逆に直近安値の10452円を下回れば、2月21日高値を起点として、二段下げを警戒するムードが強くなります。その際は1月13日安値10237円を維持できるかどうかに焦点が移っていきます。
ただ、中長期の重要なテクニカル指標である200日線(2日現在9832円)は、この先上昇に転じる段階に入っていきそうです。200日線が上昇に転じると、過去は比較的中長期間、堅調な相場になることが多いのです。だから、現段階で1月13日の安値10237円を下回り、調整が長引くと考えるのはまだ早いでしょう。
さて、来週11日は3月限の先物・オプションSQ算出日。メジャーSQ(特別清算指数)とも言われます。「SQ」とは当日の日経平均の採用銘柄の始値を基準に計算された数値。日経平均で通常目にする4本値のうちの「始値」とは少し違います。アノマリー(経験則)としては、SQ前後に相場の転機を迎えるパターンが多いとされています。過去のそういった傾向もあってか、当日の日経平均の終値がSQを上回ると翌週から相場堅調、下回ると翌週から相場軟調とみる、市場参加者は多いです。

細かい話は別として、過去の3月SQ後はどうだったのでしょう。2008年は3月14日SQで、翌週17日から6月6日高値まで22.9%上昇しました。そう、リーマン・ショック直前の高値となってしまった局面です。2009年は3月13日SQで、3月10日のバブル後の安値からの中期上昇トレンドのほぼ起点となり、その後は言うまでもありません。
2010年は3月12日SQで、4月5日高値まで11.7%上昇。上げが加速するきっかけとなりました。
もっと前をみても、2007年はSQ直前の安値から7月9日高値まで9.7%上昇し、上げが加速する起点に。2006年もSQ直前の安値から4月7日高値まで12.3%上昇。2005年は逆にSQ直前が高値となり5月まで下がりましたが、2004年は3月SQから4月後半まで17.8%上昇しました。
だからといって、一概には言えないのですが、足元の相場に当てはめるとシナリオは描けますよね。SQ前後の安値から10%前後上昇するとすれば、・・・安値をとる水準がポイントになるでしょうけど、二段下げとなったケースでも1万円から10%高でも11000円。
やっぱり、昨年4月高値の11339円手前まで、一度はトライするということなのでしょうか。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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