バスケットで1098億円の大口売買成立!本日のお昼休みに行われたバスケット取引の売買代金のことです。バスケット取引のほとんどは、東証のTOSTNETという市場を通して行われます。
最近の大口売買といえば、1月20日の917億円、昨年12月7日の827億円ぐらいでしょうか、1000億円を超えたのは昨年5月13日の1409億円以来のことです。ですから、相当大きな額で、珍しいのです。かつては、大口売買の成立は相場の転換点と前後するケースもありましたが、最近はあまり関係ないようです。
金融法人や大手事業法人などの機関投資家が大口売買を行う場合、自らの大口注文をそのまま市場に出せば、売りにみあう買いがなければ大幅に値下がりしてしまいます。そういったリスクや市場の混乱を回避するために、機関投資家(お客さん)の注文に対して、証券会社の自己売買部門が反対売買をして商いを成立させます。例えば、機関投資家が売りたい場合、証券会社は指値を決めて買い向かいます(売り決め)。逆に、機関投資家が買いたい場合、証券会社は指値を決めて売り向かいます(買い決め)。
買い向かった証券会社は、そのあと市場で少しずつ売却したり、先物で売りながら買いに偏ったポジションを解消(偏りをゼロに近づける)していきます。売り向かった証券会社はヘッジのために先物を買いながら、ポジションを解消していきます。
本日は「買い決め」との噂。中国株高もあるでしょうけど、後場からは再び先物は買われていました。もちろん、売買を事前に知ることはできませんが、「ミニ先」を扱う方には先物市場への影響として参考になるかもしれません。
そんな強さもあって、アッという間に日経平均は高値が視野に入ってきました。いつでも高値更新を狙える位置です。1月21日の大陰線をみて、「これはとうとうきたか?」と思った市場関係者も多かったと思いますが、そのあとの2日間で逆に大陰線の高値(10461円)をあっさりと上回る動きに。目先の下値不安はやや遠のいたような気がします。
新値三本足が陰転(売り)していることや、200日移動平均線などが下落基調である点などはネガティブ要因として含む必要はあるでしょうけど、下げても売りが広がらないということは、「もうはまだなり」と考えたほうがいいのかも・・・・

そのためには、12月にマド埋めで一服基調になっているソニー(6758)のここからの株価動向や、高値圏で連続陰線となったあと調整が続くキヤノン(7751)が本日の決算でどう反応するか。それらの動きが全体のポイントの1つになりそうです。
最後に、前回書き損じましたが、中国で次世代携帯電話「LTE」のインフラ事業に参入、レノボと合弁でパソコン事業を展開すると報じられたNEC(6701)。日足の陰線続き(年初から昨日までの16営業日のうち、13営業日が陰線)は少し気になる動きですが、本日の決算発表は好材料か悪材料か?
月足で「五陽連(9月から五ヵ月連続で小さな陽線が底値圏で並ぶ、陽線とは始値よりも終値のほうが高い)」になれば、将来の宝物になるかもしれません。
東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ
    
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