これから金融商品の大量満期を迎えます。ゆうちょ銀行の定額貯金の満期や個人向け国債の償還など、2012年末までに約30兆円の資金が払い戻されるらしいです。
家計全体の金融資産1400兆円の2%程度。継続運用にまわるにしても、金利は当時から一段と低下していますので魅力薄。満期資金のうちの何%が別の金融商品に向かうかどうかはわかりませんけど、金融機関の受け皿としての争奪戦は始まっています。
証券会社は好調な日本株を背景に、日本株運用主体の投信の設定を増やしてくるかもしれません。好業績の割安株や成長期待株を組み入れるスタンスのものが多いでしょうから、先回りできなくても、これから始まる企業決算発表で中身を十分に吟味し、じっくり持てば成功する銘柄はあるような気がします。

為替市場にもいえること。前々回に少しお話ししましたけど、ドル円相場は現在1ドル82円台で推移していますが、今度84円台後半に抜けてくると、二番底という面白いパターンになってきます。そうなると、今年は88円~89円なども視野に入っ
てくるかも。そうなると、円キャリーブームが復活し、さらに円安への動きを強める要因になります。それに準じて外貨建ての分配型投信なども増えてくるでしょ
う。それがまた円安要因になります。

短期的にも企業の決算発表のタイミングに入りますので、目先的なドル円相場の動き、株式市場の反応が注目される局面になってくるかもしれません。小型株物色から大型株物色へ移り変わるタイミングとの兼ね合いが興味深いです。大半の輸出企業は下期の為替レートをドル円は1ドル80円、ユーロ円は1ユーロ110円程度で設定していますので、想定よりも円安になれば、さらなる業績上振れ期待につながり、株価も好感するでしょう。
ただ、円安が進行して買われる銘柄は、円高局面では売られます。そもそも円高で減益になるような会社は成長期待株とはいいがたいので、為替動向で極端に株価が動く銘柄には注意した方がいいのです。

日経平均は目先微妙な水準です。上値メドを10765円や11081円(終値ベース)処とみていますが、ザラ場ベースでみると1月13日の高値10620円は、昨年9月1日安値を中心とした「逆三尊型」の底入れパターンからの第一目標となる10636円(9月1日安値8796円~10月7日高値9716円までの上昇幅920円を10月7日高値からさらに上げた水準)の近似値となるため、いったん買いが一巡した可能性も、・・・一目均衡表の基準線(10400円処)で下げ止まるとこができるか? 10200円処を下回ると要注意でしょうか。相場格言にある「買いたい弱気」ではないですが、今度下がれば成長期待株を選びたいですね。
 しかし、今年は皆が強気。株価は高値を更新してから次ぎの展開がみえてくるもの。昨年4月高値11339円をまだ上回っていない状況にもかかわらず、市場コンセンサスは強気に傾き過ぎているような気がしてなりません。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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