9月中間決算が本格化しています。下期は政策効果がなくなることや、円高進行の影響を織り込んで通期見通しを据え置きとする企業が多そうです。一方、株式市場のほうは円高による下方修正懸念もあって、ある程度売られた側面も強く、据え置きならば逆に安堵感が広がり、ポジティブな面をみせる可能性はある・・・と思うのは都合がいい話しでしょうか。

まだ、決算発表は始まったばかりですが、ファナックやキヤノン凄いじゃないですか。キヤノンは10-12月のドル円の想定為替を1ドル90円から80円に見直した上での今期業績上方修正。ここまで円高が進んでも業績好調維持ですよ。ここから円安基調へ反転したら株価どうなるんでしょう。前回、お話ししました「背反値(はいはいち)」の水準ぐらいから、円高一服の雰囲気はでてきたような感じです。
ほとんどの会社が下期の想定為替レートを円高方向に修正するでしょうから、そのタイミングをもって円高一服となれば、これもまた全体観としてはポジティブな話です。

しかし、低迷が続く東京市場に資金流入が継続するかどうかは別問題。最近、日本株の低迷に関する特集記事を所々でみるようになりました。2008年金融危機以降の安値からの反発も鈍いし、年初来高値からの海外市場に比べた相対的な出遅れも鮮明です。
ダウ平均や香港ハンセン指数、新興国市場の株価指数などが年初来高値近辺の動きに対して、年初来安値銘柄の増加や値下がり銘柄の多さ、売買代金の低迷、機関投資家の日本株離れ、買い手として期待される個人も小型株低迷で投資家心理は最悪に近い。
売買代金の6割前後を占める海外投資家は日本株を買い越しているようにみえても、ヘッジファンドの小刻みな売買によってネットベースでやや買いがみえる程度の印象。日本企業への成長期待で長期資金が入っているといった雰囲気は決してありません。

確かに、円安は日本株にとって心理的にもプラス面は多いですが、日本株の出遅れで上昇を期待していると、いつの間にか、先に高くなってしまった米国株式の下げに対する悪影響のほうを気にしなければいけない局面になってきたような・・・・情けない。
11月は米中間選挙やFOMCなどの政治・金融イベントに加えて、月初には重要な経済指標の発表も重なることもあり、11月第一週が重要なポイントのようです。
日経平均の日柄分析でも目先の変化日として11月2日前後、7月1日安値~8月31日安値までの「43日間」を8月31日安値から先に対等させたタイミングに注目です。
もう一つ。週足の一目均衡表では、今年4月の年初来高値からの下落で下げに転じた転換線が久しぶりに11月第一週から上昇に転じることになります。今週までの3週間、ローソク足の陰線が徐々に短くなっていく様子に反発期待をもつのは私だけでしょうか?

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

-----------------------------------
「トレーダーズ・プレミアム」は、個人投資家の心強い味方です!!
http://www.traders.co.jp/service/goods/premium.asp

-----------------------------------