何度かご案内の通り、米ダウ平均の10-12月のパフォーマンスは比較的堅調です。毎年ではないのですが、米国企業でいうところの第4Q(10-12月期)業績への期待感があるのでしょう。先週、業績を発表した米アルミ大手のアルコア、今週発表した米インテルの株価は堅調に推移。米企業の順調な決算発表のスタートに株の先高期待はありますが、・・・逆に、材料出尽くしになってしまわないでしょうか。

ダウ平均の10-12月のパフォーマンス(前月比)を2000年~2009年までの10年間の平均でみると、10月+1.17%、11月+1.51%、12月+0.99%。リーマン・ショックで大きな変動があった2008年より前の1998年~2007年の10年間でみると、10月+3.91%、11月+2.14%、12月+1.61%と、一年間の中で株が上がりやすい四半期と言えます。

ところが、今年9月のダウ平均。7.7%の上昇と9月としては1939年(+13.4%)以来の上昇率となりました。8月末~10月12日(11,020ドル)までの上昇率は10%を超えてきています。
年間のなかでも、特に下げる傾向にある9月(1998年~2007年までの10年間の平均で-2.56%と1年間で最悪)に上昇、しかも近年にない大幅上昇となったことで、短期的には過熱感が気になるところですね。

ちなみに、9月に13.4%上昇した1939年は10月-0.4%、11月-4.0、12月+3.1%。9月に6.7%上昇した1973年のケースでは、10月+1.0%、11月-14.0、12月+3.4%。9月に大きく上昇すると10月、11月は押し目の局面とみた方がいいのでは・・・、やはり決算発表という大きなイベントが材料出尽くしになるのか、順調なスタートに落とし穴があるのかもしれません。

それともう一つ。少し前までは、米経済の持ち直しを示唆するようなマクロ指標が出てくれば、高値更新への期待感はより高まると思っていましたが、最近では逆に追加金融緩和期待が遠のいて、それが下げのきっかけになるかもしれない、と感じてきました。

そうはいっても、株価が年初来高値(11,205ドル)を前に、ここまで戻せば高値更新の可能性は大です。更新できなければここまで戻りはしない、と思いませんか。目先、高値警戒で下げる局面があっても、高値更新に助走をつけるための押し目になると思います。

一方、日本株は安値更新銘柄の多さが気になりますが、全体的には円高が以前より気にならなくなってきた様子。ダウ平均と同じ動きをしている、ドル建ての日経平均にとっては気になる局面。下の方向に過剰反応しなければいいのですが。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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