今週の9月28日は3月決算銘柄の中間配当落ち日でしたが、日経平均は前日終値に比べて107円程度の下げとなり、中間配当落ち分とされた63円を埋めることができませんでした。日経平均も理論的には採用される銘柄の予想配当(暫定値)を合計した分だけ安くなる。配当落ち日に前日終値に比べて1円でも高くなれば、配当落ち分の「即日埋め」となります。今回、それが達成できなかったことで、10月相場は軟調・・・とする見方もありますが、実際はどうなんでしょう。
「即日埋め」は市場の先高感を反映し、相場の地合いが強い証拠と言及する市場関係者は多い。埋めなければ弱いという見方です。市場では配当落ち分を埋めて上昇できるかどうかで、10月相場を予想することがあります。しかし、そもそも過去の中間配当落ち日の日経平均はマイナスが多く、「即日埋め」となるケースはあまりありません。

最近では、2007年9月配当落ち日の日経平均はプラス(89円高)となりましたが、それ以前をみると2002年~2006年までは5年連続のマイナス。1997年~2000年までの4年間も連続でマイナスとなりました。2001年9月の配当落ち日には138円上昇しましたが、米国同時多発テロがあって月間でも8.7%下げましたので、月末には値ごろ感の買いが入りやすかった、との見方ができます。2008年の配当落ち日も108円安、2009年は278円の大幅安となりました。

過去の経験則では中間配当落ちは埋められないケースが多く、中間配当落ち日の騰落→10月の月間騰落率の関係をみると以下の通り。(中間配当落ち日の騰落→10月の騰落率;2000年64円安→▼7.67%、2001年138円高→△6.05%、2002年156円安→▼7.92%、2003年192円安→△3.33%、2004年35円安→▼0.48%、
2005年82円安→△0.24%、2006年76円安→△1.69%、2007年89円高→▼0.29%、2008年108円安→▼23.83%、2009年278円安→▼0.97%)過去のデータを見る限りでは10月相場との関係はあまりなさそうです。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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