菅政権は為替介入に消極的とみられていただけにサプライズでした。昨日は東京株式市場は前場中盤までやや下げていたこともあって、円売り介入報道で朝方からのショートポジションを巻き込み、逆に上げに弾みがつく格好となりました。菅首相が代表選に勝てば「円買い、株売り」といわれてきたなか、代表選直後の円売り介入は市場参加者の意表をつくという意味で、タイミングはバッチリ。

ただ、円高一服といいましても、米経済指標によっては円高圧力が再び高まりかねませんし、欧州景気に関しても弱めの指標が出だしてきているので、まだ安心はできません。
ドル円相場は別にしても、日経平均は8月31日に安値をつけてから、少し反発基調にありました。やや円高抵抗がついてきたあたりでしたので効果はてき面。短期的には株式市場はいったん下げ一服、過度な円高警戒が薄れることになり、投資家心理は幾分改善することになるのでは・・・

そうすると、警戒感から割安と思っていても怖くて買えなかった株をあわてて買う、先物やETFなどのインデックスものを買う、9月末に近いということで、配当取りの動きが活発になってくる。東証一部の時価総額上位10社の平均をみても予想配当年利回りは3%前後と高い。ヘッジの意味でも買いの根拠としての選択肢はありでしょう。27日の権利付き最終日に向けて、買いを急ぐ動きはでるのではないかと思います。よって、そこまではあまり下がらない?
しばらくは為替市場に神経質になる状況は続くでしょうけど、意外高もあるかもしれません。7-9月は円高が進行しました。10月下旬からはじまる7-9月の企業業績の発表。その内容で外需の堅調続く・・・が確認されるようだと、出遅れた日本株への見直し買いが強まるかもしれません。

日経平均の今日の高値は9620円。これは7月下旬~8月中旬にかけて、もみ合った水準の中値(9760.31+9474.67)÷2=9617円です。それともう1つは、日足の一目均衡表の遅行線が雲下限に抵抗にあう水準です。
日経225先物の高値9580円も同じ。先日、マネックス証券のオンラインセミナーの中で遅行線の話しをさせていただきましたが、遅行線が雲下限(9575円)に抵抗にあったパターンです。7月下旬~8月中旬にかけて、もみ合った水準の中値は(9760円+9410円)÷2=9585円です。さらに、その2つの中値は(9585円+9575円)÷2=9580円。そこがきょうの上値の節目になりました。
もみ合いはあるレンジのなかで上下に振れる動きです。そのレンジの中心となる水準がバランス(均衡)のとれたライン。その均衡ラインは一目均衡表の中値理論と同じく、やっぱり重要な価格なのです。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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