何でこんなにダラダラ下げるの?って、円高進行、米中景気減速懸念、欧州不安、売買低迷、参院選前などなど、みんながみんな買いを手控えているからでしょう。中国農業銀行のIPOが上手くいかないなどの噂が出て上海株が下げてみたりとか・・・ほかの要因もあるかもしれませんが。
やはり業績がついてこれないのを織り込む動きになっているのでしょうか。今期増益基調が保てる、とかいうように、下げる過程でもいろいろ出たりして押し目買いの理由になってきましたが、それを信じて高値から買い下がってきた買い方が投げさせられる典型的な弱い相場ともいえます。

今週の某新聞の一面に掲載された記事、「社長100人アンケート」。半年前に比べて国内景気が改善したと回答した経営者が前回3月より12.3ポイント増加して73.6%になったそうですが・・・それなのに株価下がるの? これ以上の望みがないとすれば、株価は下がりだしますよね。
また、2010年度の経営課題として最も回答が多かったのが「新興国など海外事業の拡大」で、その次が「研究開発などによる新製品開発強化」と続きます。下位では「有利子負債削減など財務体質の改善」、一番少ない回答が「為替変動への対応」だったそうです。「為替変動への対応」がこの時期に最も少なかったのは意外感あり。企業にとって為替って、実はやっぱりそんなものなのでしょう。株式市場は為替の影響でフレが大きくなるときがありますが、結局、業績の大部分はモノが売れるかどうかの話。だから、新興国の需要が減退すればダメで、需要旺盛が続けば円高になろうが、増益をキープできる。

ただし、新興国の需要減退はいつかくるでしょうけど、そのタイミングはリアルにわからない。売れなくなって在庫が積み上がってきたことが明らかになるまでわかりません。だから、株価の動きや足元の状況を反映する企業マインドは重要視すべきなのでしょう。そのマインドから業績モメンタムを逆手に取るのは少し乱暴かもしれませんが、その結果をそのまま受け取ってもいけません。仮に、足元いい状況にあるなかで、近い将来悪くなると思っている人がいても、そう思う意見が多数になることはありません。悪くなると思う意見が多数になるときはだいたい大底のときでしょう。逆に、今のようにポジティブが多数を占めるときって、・・・少し警戒した方がいいかもしれません。

さて、早いもので今年も半年が過ぎました。この時期にはまず出てこない話題ですが「干支と相場」。今年の干支は「寅」千里を走りなのに、日経平均の今年のパフォーマンスは6月末現在でマイナス11.0%とさえません。1949年以降の寅年の平均をとってもプラス2.7%程度で、千里を走ったとはいえないのですが・・・。
しかし、寅年の次は「卯(うさぎ)跳ねる」、そして「辰巳(たつみ)天井」と続きます。卯年の過去5年平均は23.0%で十二支中で三番目、辰年は28.9%でトップです。そういった意味でこの下げ局面、押し目買いには心強いものはありますが、その反面、投資家のマインドとしては、買い手控えた方がいいと思っている人がまだ多いのでしょう。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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