4月7日付けで、おもしろいリポートがあったので紹介します。証券会社発の「弱気派はどこへ?」という題名のものですが、米国の投資家との会合で投資家の確信の欠如が明らかになると同時に、日本市場への弱気派の不在も鮮明になったとしています。40社を超える投資家との会合はすべて同じ様相。投資家は今後の見通しに確信を欠く中で、ポジションをベンチマークに近付けているそう。日本市場に関する限り、このことはウエートが引き上げられたことを意味すると・・・。日本市場を大幅にアンダーウエートしている投資家を見つけるほうが困難だった。弱気派は一体どこに消えたのか・・・・、といった内容でした。リポートの内容を簡単に要約すると以上です。

ただ、ウエートが引き上げられるとしてもどの部分に注目すればいいのか?新聞で電子部品の受注好調が伝えられましたが、それに関連する株価動向と絡めれば今更といった感もありますね。
以前、紹介したことなのですが、電子部品メーカー30社を対象にした「電子部品景況調査」。先週の土曜日の新聞でまた目に入りましたが、4-6月期の見通しで「良くなる」と答えた企業は全体の70%に達したそうです。テクニカル指標だと売りシグナルですね(笑)。
昨年、7-9月期の受注改善基調時に10-12月期の景況感が「良くなる」と答えた企業は全体の40%でした。その後、1-3月期まで受注はすこぶる好調だったのです。関連する電子部品株は大きく上昇しました。
当時、なるほど、会社側が言っていることだから間違いない、悪くなるのであれば売り。ともししていれば大きな売り損になっていました。
もちろん、会社側の見通しなので、ある程度は適切な面もあると思いますが・・・その時に、まだ半数の50%も超えていないから(経営者の半数以下がまだ強気でないから)、逆にまだ株価は上昇するのでは?と思う発想が必要だったのです。
ということは、今の「良くなる」70%をどう考えるか、経営者の大半が強気・・・(汗)。

加えて、ドル円相場の円安方向への動きがやや早すぎる感も否めません。目先、円高基調に反転するリスクを考えれば、輸出関連株を避け内需株への出遅れ物色は当然の流れ。
銀行株に関しては第一生命株の上場が一巡したことや、相対的な出遅れ感があることは市場参加者の大半が認識していること。上がり出すのを待っていたわけですから、昨日あのような動きをするのです。先高期待のある動きになってきたことで、しばらく押し目を拾うセクターとして注目すべきです。
過去に参考になるのが、2007年の株式市場の高値からの大きな下げの途中、2008年3月中旬から、6月前半まで強く上昇した局面があります。日経平均は23%上昇、TOPIXは27%上昇とTOPIXのほうが大きく上昇したときです。内需セクター(銀行、その他金融、保険、証券)と外需セクター(輸送用機器、電気機器、精密機器)の大どころを、その3月安値を基点として株価動向を比べてみますと、銀行、その他金融、保険、証券などの内需セクターがTOPIXや外需セクターに大きくアウトパフォームした局面がありました。
今回も同様のパターンになってくる可能性はあると思います。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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