いつまでこう着相場が続くのでしょう。ここから上下どちらに放れるか?などが話題になっていますが、大きく上昇したあとによくある株価パターンです。時間がたつにつれてレンジが小さくなっていき、その間の出来高は縮小。まさに足元の出来高や売買代金の減少は、そういった背景もあるのでしょう。強弱感対立といったところでしょうか。 
きょうの某新聞には「三角もち合い」という表現は使わず、日経平均の1月高値を基点とした右肩下がりの上値抵抗線と2月安値を結んだ右肩上がりの下値支持線のなかの動きとして、こう着相場を解説していました。

いろんな考え方や見方があって面白い。仮に1月28日高値から横に平行に引ける線を上値抵抗線としてみれば、2月安値を結んだ右肩上がりの下値支持線とで上昇三角形といった「三角もち合い」のパターンになります。そのケースだと三角形の先にあたる時期が、一目均衡表の雲のネジレにあたる時期にもなります。雲のネジレは相場が変化しやすいタイミング。だいたい3月の終わりごろでしょうか。

以前どこかで採り上げた、2008年6月高値と今年の1月15日高値を結んで延長した右肩下がりの上値抵抗ラインと、昨年3月安値と昨年11月安値を結んで延長した右肩上がりの下値サポートラインとで三角形が出来上がる時期も4月前半日本株だけではないんですよ。上海総合指数も4月ごろ、ダウ平均も・・・4月といったような感じです。世界的には4月ぐらいから強弱どちらかに傾きが出てくる可能性はありますね。

いずれにしても、三角形から放れるところから出来高や売買代金に変化が出てくるかも。
何度か解説したことはありますが、出来高は株価に先行する場合とそうでない場合があります。先行するケースは長期間で株価が下落したあと、セリングクライマックスで出来高が急増して、その後の上昇に繋がるといったパターンなどがわかりやすいでしょうか。
一方、そうでない場合は、株価が上昇したからみんなが注目して出来高が増えるパターンです。最近の材料株人気はそうでしょう。あとは、こう着相場から上下どちらかに抜け出した瞬間に、みんなが一斉に同じ方向に向くからですね。株価が上昇すれば売りも増えますし、様子見を決め込んでいた強気派は買いに出動する・・・出来高は増えます。

小難しい局面です。欧米市場が高値圏で推移しているだけに、上に放れることを前提に大型株の押し目を拾っておこう、といった雰囲気はあります。一方、私の隣のアナリストが「上下どっち?」とまわり(業界の知り合い)に聞くと、60%~70%が上と答えたそうです。少数意見が勝つとすれば、危ないですね。
さて、話しはガラッと変わりまして、「東証IRフェスタ2010」というのが5日~6日開催されます。メインでは著名な先生の講演会や参加企業のトップが語る会社説明会などが予定されています。
そのほかにも、個人投資家がさまざまな投資の基礎知識を吸収できるような各種のセミナーもたくさん。そのなかに特別企画・展示で「寺子屋セミナー」というのがあります。それぞれ15分の短いコマなのですが、ETFの紹介や中国株、日本株、海外情勢など各種内容です。ご興味のある方はHPで調べてみてください。→ http://www.tse-irfesta.com/

私も6日の第6時限目を(15:10~)担当します。15分のセミナーは初めてなので、どの程度の内容が話せるかわかりません・・・・「こう着相場」の15分間は地獄のように長いですが、話す15分は短いでしょうね。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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