日経平均の15日高値10982円は昨年11月27日安値を基点としたN計算値10948円に見合う水準とみていいでしょう。日柄面でも、昨年11月27日安値から1月15日高値までの32日間は、昨年7月13日安値から8月26日高値までの32日間に対応しています。
「新月(15日)」天井に対して、「満月(30日)」前後の29日や1日はどんな動きをするのでしょうか?

さて、このあとの展開となりますと、「急反発」、「もち合い(10500円を中心とした)」、「いったん戻して二段下げ」、「1万円割れ」、などが考えられます。当たり前ですね(笑)。ビジュアル的にはどのパターンが一番キレイにみえるでしょうか?
私は、いったん戻す二段下げのパターンにしては、今回一段目の下げが大きすぎるような気もしますし、どちらかというと、もち合いのイメージです。200日移動平均線の上昇は続いていますので、現状では「大きな上げのなかの小さな下げ」。ようするに、中期上昇過程における短期的な調整局面とみています。
日経平均、そのためには足もと、75日、100日といった移動平均線に近づいていることや、昨年12月中旬にかけてもみ合った10200円~10000円水準から切り返すことができるかがポイントになります。

もち合いが続くと、短期、中期、長期の移動平均線がある水準に「収れん」するようになってきます。その時点で株価がそれらの上方で推移できれば、さらに一段高、といった展開につながる可能性が高まってきます。
以前、「収れん」という話題を取り上げたときにお話ししましたが、移動平均線を一本の糸と考えてください。それが束ねられる(収れん)と強くなるし、それが下値支持線となって強力になり、下値支持線が上昇するタイミングで株価が押し上げられる、といったパターンになりやすいのです。
2005年に1年間もち合った末に上に大きく放れた局面のように・・・そこまで大きな上昇ではないでしょうけど。しかし、そこまで予測するのは難しい。私の妄想であり、自分勝手なシナリオですから。

瞬間、話題になりましたが、「三羽烏(18日-20日)」を形成すると、そのあとの下げは結構しぶといんですよ。また、米主要3指数は新値10本足が陰転するなど、あの下げで弱気ムードに傾いた市場関係者も多いようです。一方で、実際大口顧客から注文を受けているある大手トレーダーに云わせると、「外国人買いが年初から話題になっていましたが、感覚的には話題になるほど買ってないような気がします」、とのことも言ってました。まだ買いきってないってこと?

正念場ですね。最後に一目均衡表の話です。日経平均の週足の一目均衡表では雲を超えたあと、今週は雲の堅さを試す展開になっているのですが、あすの終値で雲上空を維持できるかどうかがまずはポイントです。
少し外れますが、主力株のソニーとトヨタの週足の一目均衡表を比べてください。リーマンショック後の安値からは一見、同じような推移に見えますが、実は大きな違いがあるのです。ソニーは昨年7月安値に対して11月安値が切り上がっている一方、トヨタは7月安値を11月安値で下回ってしまいました。現在、ソニーは雲の上限から下ヒゲを伸ばす動きになっていますが、トヨタは雲下限まで突っ込む動きになっています。過去の安値を切り上げる、切り下げる、の違いだけでここまで違いが生じてくるものです。
きょうの東京市場、大幅反発するなかでネガティブな材料が出たトヨタは安いのですが、材料が何であれ、安値を切り下げたという跡があるだけで、そのあとの上昇や下落といった株価の動きに影響を与える例と言えるでしょう。日経平均は雲の上限を意識していますが、心情的には「来週、雲の下に転げ落ちないでね」と願いたいところです。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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