早いものでもう半期が終わってしまいました。今日の某朝刊一面によると、日本株の上期の売買代金が4年ぶりの低水準、になったそうです。東証一部の上期の売買代金が約175兆円で、日経平均が高値をつけた2007年の上期の約349兆円に比べると半減してますよ、ということです。なのに、株価の方は3月安値から8月高値まで50%も上昇してますから、出来高が伴わない上昇、凄いといえば凄いですね。

 でも深刻ですよ、この現物市場のボリュームの減少は。東証1部の現物市場(東証一部)と先物市場の売買代金を比べますと、年初から4月ぐらいまでは同じ水準でしたが、7月以降は先物市場が大幅に上回っている状態です。8月はざっくり4兆円ぐらいの差がありました。
 証券会社の自己売買ディーラーも現物売買の比率が減少していると聞きます。ヘッジファンド(HF)を中心とした外国人投資家もそうですね。流動性のある日経平均先物しか売買していないみたいですよ。彼らは大きな資金を動かします。そういった意味でも流動性重視になりますから、流動性がない市場にはますます目を向けなくなるでしょう。
 先物市場は外国人投資家だけでなく、一般の個人投資家にも浸透しています。デリバティブでヘッジ手段を覚えた個人投資家も少なく無いと思いますので、そういった意味でも現物市場のボリューム回復には相当時間はかかると思います。

 今やHFの売買の70%がシステム取引らしいです。先日、あるHFに詳しい先生の講演を聞いて、勉強させていただきました。非常に参考になりました。 ある程度、わかっていたとはいえ、そこまで比重が大きいとは思いませんでした。昨年のリーマンショック後の急落時もそう。瞬時に執行されるシステム取引による売り注文だったんですね。手法はさまざまですが、中にはブレイクアウトといった手法もあって、直前の安値を下回ると売り、戻して、また安値を更新するたびに売りがでる。それが続く以上は売りがでる?当時、私は日経平均先物の売り買いの板を凝視していましたが、あの凄まじい板の動きは忘れません。人間のマーケット心理は入り込む余地はなかったんだと思います。これまで通りの考えかた、テクニカルは通用しない、とよく下げ相場のなか誰かが言っていたような気がします。もちろん、システム取引だけが下げた要因ではありません。システム取引で下げた分、3月以降の戻りも速かったという部分もあると思います。

 システム取引はどんどん発展しています。今やミリ秒単位の競争になりつつありますが、競争力を付ける意味では仕方がないことだと思いますが、そこまで速いものが本当に必要なのでしょうか。
 もっと、外国人投資家を呼び込める、ほかに投資家層を広げる努力をするところに精力を注いだ方がいいと思いますが、皆様どうでしょうか。そんなことしているうちに、〇〇証券取引所に買収されなければいいですが・・・。 システム取引が市場を支配するようになれば、投資家は徐々に去っていきますし、さらに空洞化が進みます。まだ、現実的ではないですが、東京で最も活気付いている日経平均先物の売買シェアも、そのうちシンガポールやCMEに取られてしまう可能性だってあるわけですから。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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