先週に引き続き、また個人的な話になります。先週、フランスのパリで開催された、テクニカルアナリストの世界大会に参加してきました。IFTA大会といいます。前回「歴史に残る人」のなかで紹介した、ワシントンで開かれたテクニカルアナリストの世界大会も何年か前に行われたIFTA大会のことです。 今回、最新のテクニックを入手するために、わざわざヨーロッパへ出向いたわけです。実は2005年のバンクーバー大会と2006年のスイス(ルガーノ)大会ではスピーカーとして参加したのですが、今回は一般参加でした。

 IFTA大会は私にとってテクニカル分析を再考する良い機会となります。世界の著名アナリストの高度なテクニックを聴講し、いろんな手法を学ぶことも大切ですが、それ以上に重要なのは海外のテクニカルアナリストと接触の機会を持てることです。
 ただ、残念ながら今回は主催国のフランスや隣国のイギリスからの参加は目立っていましたが、米国含めその他はあまり来ていませんでした。以前、その大会で知り合った欧州系銀行のテクニカルアナリストも会社の都合で行けない、ユーロ圏外の知り合いからは"ユーロ高でとても行けない"などと、事前に聞いていたので、そういった意味ではあまり期待していなかったのですが、やはり世界同時株安、金融危機の影響が当然のように、そういったところにも影響しているのですね。

 大会1日目は"WALK ABOUT"からスタートします。今回も1日目となる6日の午前中は、各テーブルに移動しながら、テーブルごとに決められたテーマに沿って議論していくという時間となりました。
しかし、・・・私は大きな忘れモノに気付き、急遽、宿泊先のホテルに戻らねばならなくなってしまい、今年の"WALK ABOUT"は参加できず。非常に残念無念。

 その後、午後から3日目夕方までは、各国の代表者が"最新?or独自のテクニックを披露する時間に当てられます。内容まではこのコーナーでは触れませんが、今回は全体的にテクニカル分析というよりも、ファンダメンタルアプローチに近かったという印象。スイス大会でも感じていましたが、欧米系主流のオシレータ系は限界が来ているのかも・・・。

 そういったなか、日本勢は"ジャパンアワー"として特別に時間が割り当てられています。なかでも、一目均衡表は外人にとって受けが良く、今回も日本の話し手には質問がたくさん。噂には聞いていたのですが、日本の技法は間違った伝わり方をしていると・・・。どのように間違ったものになっているのかはわかりませんが、翻訳段階で微妙なニュアンスが変わるんでしょうね。私の推測ですが、日本の技法に関する参考本はそんなに無いのではないかと思います。その大会には、各国の協会所属というかたちで参加するのですが、毎回日本の協会は英語に翻訳された日本のテクニカル本をその大会に持っていって、外人参加者に配るのですが、今回は瞬間蒸発です。それだけ日本技法は興味があるということなのでしょう。

 しかし、最近ユーロが下げているとはいえ、物価があそこまで高いのには驚きでした。皮肉なことに、私がこの大会の参加料を払ったときが、1ユーロ160円の水準。その直後ユーロ急落、行く前に一時、120円を割り込んだこともあったのですが、私が行っていたときはやや落ち着いていた局面。帰ってきたら、また120円を割り込んできましたね。こんなもんです。相場は狙って取れるものではないということでしょうね。

東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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