“2008年相場展望”と題して、昨晩は株式のネットセミナーを担当させていただきました。お忙しい中、ご清聴いただきましてありがとうございました。
 今日はそこでの内容を簡単にまとめます。

 まずは、東京市場は短期的に一旦リバウンドが期待できそうだという点。反発したときの上値メドとしては心理的節目の15000円。その後もう一回下げるかもしれない。下値メドとしては2006年の安値14045円前後。仮にその下値メドを下回ったときには、13300円程度までの下落余地が年前半であるのではないかということです。

 考え方としては、昨年7月高値からの下落が、2003年安値からの上昇に対する中勢2波目の調整(下落)の動きであれば、5波で下落−3波で上昇−5波で下落の波動で完成するというものです。10月戻り高値からの下落では、大発会で最後の5波目に入っている。下値はまだ確定していないが、昨年7月高値からの下げの最終局面との認識。

 2008年のイメージは下値を切り上げる展開を想定。そのイメージを2003年以降の日経平均の動きに当てはめて見ますと、3月安値、6月高値、9月安値、12月高値と上がったり、下がったりといった感じです。ただ、9月安値は3月安値よりも切り上がっているイメージ。そして、2009年か2010年は昨年の高値を上回る上昇になると予想しています。2008年は、買い方と売り方の力が拮抗する時期となり、銘柄交代の動きが後半から出てくる。新年前半は仕込みのチャンスであると思います。

 2003年以降の株の上昇は外国人買いによる原動力が大きく、母国のマーケットに左右されやすいが、その動向には今後も目が離せない。逆に買い方として期待したいのは、政府系ファンド(ソブリン・ウェルス・ファンド SWF)の動き。アブダビ投資庁のシティへの出資やシンガポール系ファンドによるUBSの出資など、昨年からのそういった動きは今年も続くでしょうし、日本の株にも・・・といった期待をしています。

 日本の10年債利回りの上昇時期と株の上昇が始まる時期がほぼ同時に起きるのではないかという点、私は3月ごろではないかと言いました。債券の下落で金融機関に含み損が発生、拡大が起きますので、徐々に債券売りのエクイティ(株式)買いにシフトしてくれば、金融機関だって今後の買い主体になる。新興市場はまだ厳しい状況が続きそう。日経ジャスダック平均で1400円割れあたりまでは・・とも言及しました。

 今後の物色動向では、昨年まで大きく上昇した銘柄よりも、TOPIXに対してアンダーパフォームになっているセクターに中期的な観点から投資するのが有効ではないかと。特に電機あたり。7年経ってようやくニュースのトップ、新聞の一面にでるような大きな動き、事業再編が増えている。良くなかったから再編が起きる。この4年間上昇した鉄鋼、機械、商社、不動産、海運株も株価が上昇する前はいろんな意味で全然良くなかった。ソニーに中東の資金が付いたり、日立が再編期待で商い増えたり、というのは中期的スパンを見据えた小さな準備運動である。そういった意味でハイテク業界に注目といいました。
 また、企業業績が良くなさそうですから、将来収益にのってきそうなテーマ、次世代通信網、環境、バイオなどが面白いと・・・。

 簡単にまとめるとこのような話をさせていただきました。また、機会がありましたらやってみたいと思ってます。ありがとうございました。

(株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ 東野幸利)